「テルマエII」に現役＆元力士が多数出演　曙と琴欧洲はグラディエーターに

古代ローマのテルマエ（浴場）設計士のルシウスが現代日本にタイムスリップし、日本の風呂文化を学んでいく姿を描くコメディ。「テルマエ・ロマエII」では、斬新なテルマエを作ったことで人気者になったルシウスが、コロッセオの剣闘士（グラディエーター）たちを癒すテルマエの設計を依頼される。再び現代日本へやってきたルシウスは相撲を目にし、血みどろのグラディエーター達の戦いとは違う平和的ルールや観客のムード、その浴場に新たな可能性を見出していくという物語だ。

そんな本作には本物の力士たちの存在が不可欠で、総勢17人の現役＆元力士が出演。本格的な相撲シーンや、迫力ある入浴シーンを披露している。さらに、曙と琴欧洲は日本の力士役ではなく、ローマ帝国のグラディエーターとして出演。曙はアケボニウス、琴欧洲はコトオウシュヌスという、それぞれ本人の名にちなんだ役名で登場する。

役名付きで映画に出演するのは初となる曙は、ブルガリアの巨大セットで行われた撮影に約1週間参加し、グラディエーターの戦いを熱演。「初めは考えながら動いていたが、意外と普段の動きをすればOKをもらえたので、最後の方は意識せずに動けた」と、力士引退後もK1やプロレスなどの格闘技で鍛えてきた身のこなしに自信をのぞかせた。琴欧洲は母国ブルガリアでの撮影はかなわなかったが、稽古の合間を縫って日本での撮影に参加。「何もかもが初めてで戸惑った」と緊張した撮影時を振り返り、「私は『濃い顔族』出身の力士として日頃相撲をとっているので、ルシウスのように日本の文化に驚くことが多く気持ちが理解できることが多いですね（笑）。この映画を見て相撲ファンも増えてくれるとうれしいです」と話している。

出演している現役力士は、琴欧洲勝紀（佐渡ヶ嶽部屋）、富士東和佳（玉ノ井部屋）、舛ノ山大晴（千賀ノ浦部屋）、豪風旭（尾車部屋）、豊響隆太（境川部屋）、鳰の湖真二（北の湖部屋）、大喜鵬将大（宮城野部屋）、東里弥（玉ノ井部屋）、磯東建太（玉ノ井部屋）、佐田ノ国豪幸（境川部屋）、睦風菊勝（尾車部屋）、二十城孝二（北の湖部屋）、白海竜光（宮城野部屋）。元力士は曙太郎、玉ノ井太祐、浜亮太、寺谷大志。

日本相撲協会所属の力士が相撲以外をテーマにした映画に出演するのは異例で、これほどの大人数が出演するのも前代未聞。相撲と同じく伝統的な風呂文化を平和に導く役割として描く本作のテーマに協会が賛同し、実現した。4月26日から全国公開。