台湾から世界へ アジアの“怪物バンド”Mayday、日本進出への一歩一歩
2014年1月23日 14:00

[映画.com ニュース]台湾映画が好きなら、Mayday(中国語名:五月天)の曲を耳にした人も多いだろう。青春映画「花蓮の夏」(06)、ファンタジー映画「星空」(11)の主題曲のほか、恋愛映画「五月の恋」(04)ではメンバー5人が本人役で出演している。
台湾出身の5人組。メンバーはアシン(阿信、Vo)、モンスター(怪獣、G)、ストーン(石頭、G)、マサ(瑪莎、B)、ミン(冠佑、Dr)。高校の同級生を中心に結成され、台湾で1999年にデビューした。その後、中華圏を中心に人気に火がつき、アジア各国で若者の絶大な支持を得ている。
そんなMaydayが昨秋、日本でベストアルバムを出して本格進出した。年が明けて1月12日。東京・台場で行われたライブは、アジア各地から詰めかけたファンの熱気に包まれた。「台北から東京まで飛行機なら3時間。でもここまで来るのに15年かかった」。アシンは場内を見渡し、感無量の表情を見せた。日本は近くて遠い国。やっとたどり着いた安堵ものぞいた。
Maydayの人気はとにかくすさまじい。私は過去に中国、台湾、香港に住む中、ファンの熱狂を目の当たりにしてきた。たとえば台北で、ライブチケットの発売日。発券場所となるコンビニ端末には、朝から三々五々若者たちが集まり始める。台北の中心部、筋という筋のコンビニにできる行列。全員がMaydayのチケット目当てなのだ。
またある時は、台湾中部の台中市で。美術館の企画展にアシンが参加した。入り口から展示室まで、館内にはファンの若者がびっしり座り込み、ひと目彼を見ようと待ち受ける。美術館の女性職員はあきらめたように言った。「これじゃあ建物が壊れるわ」
香港では武道館規模の会場を2週間連続で満員にし、中国では日本より高額のチケットが飛ぶように売れる。圧巻は一昨年春、北京五輪のメーン会場“鳥の巣”公演。2日間・20万人分が即日で売り切れ、満席のスタジアムが大合唱に揺れた。
そんな彼らは日本文化の影響を少なからず受けている。好きなミュージシャンにMr.ChildrenやB'zを挙げ、GLAYやflumpoolと親交を温める。村上春樹の小説名「神の子どもたちはみな踊る」をアルバムのタイトルに掲げ、アシンは日本旅行の指南本も出版した。
それでも日本進出に時間がかかったのは、やはり言葉の壁のせいかもしれない。楽曲の魅力の一つは、主にアシンが書く歌詞だ。青春の悩みや葛藤を丁寧にすくい上げ、「Maydayは君たちのそばにいる」と寄り添う。メンバーが30代になってもファンは若返りを繰り返し、増え続けている。そんな魅力が、言葉の違う日本では伝わりにくい。
台場での公演の最後、アシンは客席に語りかけた。「Maydayはずっと、世界の誰もが理解できる歌を書こうと思ってきた。目標が達成できたか分からないけれど、どこから来た誰でもこうして一緒に歌うことができる。ありがとう、みんな」。日本版ベストアルバムに収録された新曲「一歩一歩(歩歩)」。タイトルには、メンバーの思いがにじんでいる。
開催中のツアーの模様を収めた3D映画 Mayday 3D LIVE MOVIE「NOWHERE ノアの方舟」(日本語字幕付き)は2月8日(土)から、TOHOシネマズ 六本木ヒルズ、TOHOシネマズ なんばで1週間限定公開される。(遠海安)
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