二階堂ふみ「ほとりの朔子」封切りに「ドキドキして眠れなかった」
2014年1月18日 14:41
[映画.com ニュース] 二階堂ふみ主演の青春映画「ほとりの朔子」が1月18日、東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで封切られ、二階堂をはじめ、鶴田真由、太賀、深田晃司監督、杉野希妃プロデューサーが初日舞台挨拶に立った。二階堂と鶴田は、フランスのナント三大陸映画祭の最高賞「金の気球賞」と「若い審査員賞」のトロフィーを手に登場し、ダブル受賞の快挙を観客と分かち合った。
大学受験に失敗し現実逃避をしていた朔子(二階堂)が、叔母(鶴田)に誘われ自然豊かな避暑地を訪れ、海と山のほとり、大人と子どものほとりで揺れ動くさまを繊細なタッチで描く。二階堂は、「昨日はドキドキして眠れなかったので、朝起きられるか心配だった(笑)。こんなに初日に見に来てくれて幸せ」と満席の会場に笑顔を浮かべた。
「歓待」(2010)で注目を集めた深田監督は、本作が長編4作目となり「毎回作り方は変わらないタイプだけど、今回は“この人たちを撮りたい”というのが1番のモチベーションだった。映っている人間を見てほしい」と語った。
二階堂は、“素”を感じさせる朔子役を「表でもない裏でもない真ん中のところにいて、良い意味で浮遊感のある役。川のせせらぎのように現場の自然な時間が流れていて、生活の営みを垣間みるような感じ。場の空気感を大事にしながら演じた」と述懐。鶴田も、「深田さんの才能あふれる作品で、じわじわと心に染みてくる映画。深田さんは何よりもナチュラルな会話を大切にされていて、人間を見る目線と優しさが感じられる。私にとっても節目になるような作品になった」と感慨深げだった。
ほとんどの作品でプロデュースと出演をこなす杉野は、「“二足のわらじ”という言葉があまり好きではない。映画に携わっている人間として、現場でも映画を作り上げている。皆さんに助けられながら楽しんでやっていた」と自然体。そして、「ベストキャスティングができたという自信がある。最近では見られないような日本映画。旅をしているような気持ちで楽しんで」と語りかけた。