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中村七之助「映画 中村勘三郎」は「父の全てが詰まった作品」

2013年12月21日 21:05

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舞台挨拶に立った中村七之助
舞台挨拶に立った中村七之助

[映画.com ニュース] 2012年12月5日に急逝した歌舞伎俳優・18代目中村勘三郎さんのドキュメンタリー「映画 中村勘三郎」が12月21日、東京・築地の東劇で封切られ、勘三郎さんの次男で歌舞伎俳優の中村七之助が駆けつけた。七之助は、「父は寝るところと用を足すところ以外、全て撮っていいよと言っていた。父の全てが詰まった作品。見ていてつらい部分もあると思うけど、ぐっとこらえて笑顔で帰ってほしい」と挨拶した。

精力的に海外公演を行い、若い世代の心をつかむために現代劇作家とコラボレートするなど、さまざまな形で歌舞伎界の発展に尽力した勘三郎さん。フジテレビが密着取材した7000時間以上もの膨大な映像素材から厳選・再構築し、希代の歌舞伎役者の実像に迫る。

七之助は、「父のすごいところは、いつでもカメラを嫌がらなかったところ。朝もいつも笑顔で、『撮っていいよ』『ここ面白いんじゃない?』と自ら提案したり、プロデュース能力にも非常に優れていた人。芝居でもそうだったけど、とにかく的を外さない人」と改めて尊敬のまなざし。「そんなに気を使わなくてもいいのになって思うくらい、常にお客さんが喜ぶことを考えていた。見逃してほしくない」と語った。

歌舞伎を世に広めようと常に新しいことにチャレンジし続けた勘三郎さんだが、「破天荒で型破りな歌舞伎役者というイメージも強いけれど、『たくさんの人が歌舞伎を見てくれる江戸時代だったら、俺はあんまりああいうことはしたくない』と常々言っていた」と明かし、「父が色々なことをやれたのは基礎があったからこそ。僕らが真似して新しいことをやってもお客さんは付いてきてくれない。それを肝に銘じながら、これからも歌舞伎が発展していけるよう頑張っていきたい」と父の背中を追いかける覚悟をにじませた。

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