島田荘司作品初の映画化「幻肢」、2014年公開
2013年12月15日 17:10
[映画.com ニュース] 本格ミステリー作家の第一人者、島田荘司氏原作「幻肢(げんし)」の映画化が決定した。島田が映画化のために書き下ろした青春ミステリーだ。
島田氏は、文藝春秋刊「東西ミステリーベスト100」(2012)で、デビュー作「占星術殺人事件」が存命作家の中で1位を獲得し、綾辻行人氏や伊坂幸太郎氏ら多くの作家が影響を受けていると公言する作家。タイトルの「幻肢」は、手や足を失い、喪失の衝撃がその人の存在を脅かすほどのことになると、脳が自衛のために手や足の幻を見せ精神の安定を図ることをいう。
出演は、男子学生役に新人の吉木遼、女子学生役に谷村美月、友人役に遠藤雄弥、大学教授役に佐野史郎が決定している。そして監督は、伊坂氏の原作を映画化する「オー!ファーザー」でメジャーデビューする藤井道人。今年の東京国際映画祭で、特別招待作品として上映され話題となった20代の若手注目株だ。
藤井監督は、製作にあたり「『幻肢』では、島田荘司先生と一緒に台本を作るという貴重な経験をさせてもらいました。一緒にシナリオハンティングに行き、毎日のように『幻肢』について語り合いました。島田先生の映画化が初ということで責任は重大ですが、完成まで突き進んで参ります。完成を楽しみにしていてください」とコメントを寄せている。
なお、同作ではクラウドファンディングを取り入れる。宣伝配給費を、クラウドファンディングサイト「グリーンファンディング」を利用し、広く一般から募集する。日本初、主人公に名前をつけられるネーミングライツを支援特典化している。
撮影は12月中旬にクランクインし、下旬にアップ。2月に完成させ、14年中に公開を予定している。制作プロダクションはクロスメディア。配給はディーライツ+クロスメディア+エイチ・ツー。(文化通信)