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山田洋次監督、処女作を振り返り「不思議とそこに僕がいる」

2013年12月3日 19:15

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監督生活50周年を迎えた山田洋次監督
監督生活50周年を迎えた山田洋次監督

[映画.com ニュース] 監督生活50周年を迎えた山田洋次監督が12月3日、東京・京橋のフィルムセンターで開催中のレトロスペクティブ「映画監督 山田洋次」のトークイベントに出席。監督デビュー作「二階の他人」の上映後、「初めてだったので、何が何だかワケが分からないんですよ。どうやって撮ればいいのか、どう演技指導するのか。20年くらい前にビデオテープで見返したけれど、何となく僕の映画になっていた。役者のセリフや仕草のあり方、キャメラアングル。スクリーンの向こう側に僕の後ろ姿が映っている感じ。不思議とそこに僕がいる。そういう意味で強烈ですね」と思い出深い処女作を振り返った。

原作は多岐川恭氏の同名小説。若いサラリーマン夫婦が、借金をして建てた一軒家の2階部分を返済にあてるため他人に貸すものの、下宿人にまつわるさまざまな問題が次々と勃発する。山田監督が、師匠である野村芳太郎監督とともに脚色も務めた。

本作はSP(シスターピクチャー)と呼ばれる2本立て興行用の中編で、「新人監督と新人俳優の力量を試すもの。新人はそこで勉強できたからとても良い時代だった。僕のところにお鉢が回ってきた時、師匠の野村芳太郎監督に相談に行ったら、『短編で面白い本がある。1つひねると喜劇になるぜ。僕が脚本を書いてやる』と言ってくれた」と経緯を明かした。

現在では、松竹のみならず日本映画界を代表する名匠だが、「僕は撮影所で育った最後の世代。小津安二郎なんて全然認めないぞという時代で、同年代の若い映画人は大船調なんてクソ食らえと思っていた(笑)。みんなそう思っていたけれど、いざ振り返ると大船調の映画を作っている。この映画もそうだけど、スタートからしてずっと小さな狭い世界を描いているなと。良い意味でも悪い意味でも、この撮影所で育ったんだなと感じる」と大船撮影所からの影響を認めながら、半世紀にわたり変わらぬスタイルを貫く。

昨年、映画監督としては3人目となる文化勲章を受章し、来年には82本目となる最新作「小さいおうち」の公開が控えているが、「この映画に『何だこんな家!』とレゴで組み立てた家を投げる場面があったけれど、『小さいおうち』はそんな家。ああいう三角屋根で瓦が赤いモダンな家が、彼らの夢としてあった」と原点からのつながりを感じさせる。

そして、本回顧上映は「大変な名誉。ありがたいと思っている。何だかんだと、映画というものはその時代が映ってしまうもの。カメラマンの高羽哲夫さんが『映るってことを信頼しよう。映そうとしなくても映るんだと考えよう』と言っていた。僕は健康だったから、50年という長い年月を撮り続けてこられた。画面のどこかにちらちらと匂い漂っているこの国の歴史を、少しでも読み取ってもらえたらうれしい」と客席に語りかけた。

山田洋次監督レトロスペクティブ「映画監督 山田洋次」は、「家族」「幸福の黄色いハンカチ」「息子(1991)」などのドラマ作品から、ハナ肇主演の喜劇「馬鹿」シリーズ、大人気シリーズの渥美清主演「男はつらいよ」など、計54本が上映される。来年1月22日まで開催中。

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