主演は真野恵里菜!15年長編公開の実写版「パトレイバー」総製作費は20億円
2013年9月25日 12:25
[映画.com ニュース]今年3月の発表以来、大きな反響を呼んでいる実写版「機動警察パトレイバー」が、完全オリジナルの新作プロジェクト「THE NEXT GENERATION -PATLABOR-」として本格始動することになり9月25日、製作発表記者会見が行われた。ヒロインを演じる真野恵里菜をはじめ、主要キャストが発表されたほか、松竹配給で2014年4月からシリーズ全7章が劇場でイベント上映され、翌15年に長編映画が公開されることが明らかになった。
「機動警察パトレイバー」は、レイバーと呼ばれる人型作業ロボットが普及した日本を舞台に、警察のレイバー(パトレイバー)部隊・警視庁特科車両二課中隊(特車二課)の活躍を描いた人気アニメ。実写化については、今年3月に開催された東京国際アニメフェアの東北新社ブースで正式発表され、7月には仏パリの「第14回ジャパンエキスポ」で、アニメ版を監督した押井守氏のプロジェクト参加が明らかにされていた。
この日の会見は、レイバードッグ併設の二課棟が完全再現された千葉県・柏市の倉庫で行われ、全長8メートルの実物大98式イングラム(パトレイバー)もお披露目。総監督を務める押井氏と真野に加えて、福士誠治、太田莉菜、千葉繁、筧利夫が出席した。
押井氏は「名前を貸しているだけじゃないかと思われがちだが、まじめに監督しております。今は撮影自体が、特車二課のような厳しい状況(笑)」と報告。ヒロインに抜てきされた真野は「私が生まれる前に誕生し、たくさんの人に愛される作品なので、正直不安もいっぱいでしたが、この役に出合えたのも何かの縁。一生懸命、体当たりで頑張ります」と決意を新たにしていた。
14年4月から順次イベント上映が始まるシリーズ全7章は、第0話が約10分、第1~12話は各約48分で構成される。押井氏が監督・脚本を手がける15年公開の長編作品は約100分で、現時点でタイトルは未定。「シリーズはドタバタのテイストで、気楽に楽しんでもらえる。一方で、長編はシリアスな内容になる。今の手応えとしては、イケている」(押井氏)。音楽は川井憲次。レイバーを活用した「バビロンプロジェクト」がひと段落ついた2013年東京を舞台に、お払い箱となったレイバーの運用経験継続を名目に、かろうじて存続している第2小隊“無能な3代目”の奮闘を描く。
「THE NEXT GENERATION」というタイトル通り、登場人物を世代交代させたオリジナルストーリーが展開し、キャラクター名も真野演じる泉野明(いずみのあきら/原作は同じ漢字で、いずみのあ)、福士演じる塩原佑馬(しおばらゆうま/原作は篠原遊馬)、筧演じる後藤田継次(ごとうだけいじ/原作は後藤喜一)などと変更されている。総製作費は20億円。約4カ月間の撮影を経て、12月末にクランクアップする予定だ。
今回の“世代交代”については、アニメとの差別化と同時に、長年応援を続けるファンと向き合う「必要な設定だった」(押井氏)といい、「今という時代をどう背負うかが、この企画の課題だった」。実寸大のレイバーを製作した経緯を「作ってみたかったし、触ってみたかったから(笑)。作品にとっては、ギミックであると同時にセット。これを作らなければ、(監督は)やらないと言った。よくできているが、撮影の後、どうしたらいいか……」と説明した。製作費は2台で数千万円(関係者談)。俳優が実際にコックピットに乗ることができるという。
「THE NEXT GENERATION -PATLABOR-」シリーズ全7章は2014年4月から順次イベント上映。「THE NEXT GENERATION -PATLABOR-」長編作品(タイトル未定)は2015年全国公開される。