“小蜜”副島美咲の手錠攻撃&誕生日おねだりに「共喰い」青山監督タジタジ
2013年9月3日 23:15
[映画.com ニュース] “小蜜”ことグラビアタレントの副島美咲が9月3日、作家・田中慎弥氏の第146回芥川賞受賞作を映画化した「共喰い」の公開記念トークイベントに、青山真治監督とともに出席した。副島は、胸元に仕込んでいた手錠で青山監督の動きを封じると「来月20歳になるんですけど、20歳になったら監督と一緒に交わって濃密なひとつのものを作りたい」と意味深にほほ笑み、青山監督はタジタジだった。
昭和最後の年の山口県下関市を舞台に、高校生の遠馬、粗暴な性癖を持つ父、その愛人らが過ごすひと夏を、映画オリジナルのエンディングで描き出す。主人公の遠馬役に「王様とボク」「そこのみにて光輝く」などで注目を集める人気若手俳優・菅田将暉、父親役を光石研が熱演。第66回ロカルノ国際映画祭コンペティション部門で、「YOUTH JURYAWARD最優秀作品賞」と「ボッカリーノ賞最優秀監督賞」の2冠に輝いた。
青山監督は、「原作と自分がやりたかったことが近かった。女性が重要な物語で、田中慎弥さんの小説は僕の描きたい世界と非常に近い匂いをもっていた」と映画化の経緯を説明。オーディションで菅田を抜てきした理由は、「この原作と脚本に向かい合ってくれる人を探していた。ひと際迫力が違っている男の子がいて、それが菅田君だった」と印象を語った。
日活ロマンポルノの名作を数多く手がけた荒井晴彦が脚本を担当し、青山監督は「女性を描く中でロマンポルノ的要素、男女の性的な関係から自分は逃げていた気がする。なので、荒井さんに『逃げずに作りましょう!』と頼んだ」と狙いを明かした。副島も、「平成生まれなので昭和の情景はあまり見たことがないけれど、愛人も実母も遠馬の彼女も女たちがみんな強い。女性のしたたかさや強さが詰まった映画」とアピール。さらに、太ももの裏に潜ませていた本作の重要なモチーフであるウナギのペイントを披露し、映画のロングランヒットを祈願した。
「共喰い」は9月7日から全国で公開。