阪本順治監督、佐藤浩市ら、骨太エンタメ作「人類資金」に絶対的な自信
2013年8月27日 15:00
[映画.com ニュース]旧日本軍の秘密資金“M資金”を題材にした阪本順治監督作「人類資金」の完成報告会見が8月27日、東京・丸の内のシャングリ・ラ ホテル東京で行われ、阪本監督をはじめ主演の佐藤浩市、森山未來、仲代達矢、原作者の福井晴敏が出席した。
金融ブローカーを名乗る詐欺師・真舟(佐藤)が、謎の男“M”(香取)と腹心の部下・石優樹(森山)からM資金を盗み出してほしいという依頼を受け、世界を股にかけて勇躍する姿に迫る。福井晴敏氏の大胆な発想と仮説を元に、M資金はアメリカの財界が関与しているという設定。さまざまな思惑が絡み合うなか、国際金融システムを逆手にとりマネーゲームを仕掛けていく様子を描く。
昨年5月に米ニューヨークでクランクインし、今年2月に露ハバロフスクで再クランクイン。その後、3月にタイ王国、日本でロケを行うなど、4カ国での撮影を敢行した。「KT」「亡国のイージス」など阪本監督とは10度目のタッグとなった、主人公の詐欺師・真舟雄一役の佐藤は「骨太なエンタテインメント作品になった」と手ごたえをつかんでいる様子。森山も、「お客さんの心に響くのか、夢物語と斬り捨てられるのか、反応が楽しみ」と自信のほどをうかがわせた。
7年前から構想を練っていたという阪本監督は、「人類はあったけれど資金がなかった。僕らがこの題材に手をつけなければ、ほかに誰も手をつけなかったであろう自負がある」とキッパリ。大ベテランの仲代も、「かつて映画界は、当時の政治の腐敗を徹底的にたたいた作品が多かった。まさに『人類資金』はエンタテインメントを含めた社会派をになう作品になったと思う」と太鼓判を押した。
今作には佐藤、森山、仲代とともに、香取慎吾、観月ありさ、岸部一徳、ユ・ジテ、オダギリジョー、寺島進、三浦誠己、石橋蓮司、豊川悦司ら、映画界に欠かすことのできない面々が顔をそろえたほか、ビンセント・ギャロも出演している。
「人類資金」は、10月19日から全国で公開。