三木聡監督と評論家・宇野常寛氏「俺俺」を“キャラクター”視点で徹底分析
2013年6月1日 18:20
「ミリタリーマニアの俺」「巨乳の俺」「全身タトゥの俺」など、亀梨が33のキャラクターを演じ分けたことで話題を集める本作。三木監督は、亀梨の“フィジカル”にも感心しきりで「とにかく着替えのスピードも速いし、着替えから戻ってくる時にはすでにキャラクターを変えてくる。同じように見えて、均、大樹、ナオの姿勢は微妙に変えている。“ただやる”ということができる人間」と信頼を置いていた。
オタク系文化をはじめ、サブカルチャーやポップカルチャーに造詣の深い宇野氏は、「周囲の人間をキャラクターとして扱うのがソーシャルメディア。友達の数や『いいね!』の数で、現実の人間関係において見えないものを見えるようにする。そういった生活環境やコミュニケーション環境を批評することを武器として使っているのが『俺俺』では」と指摘。また、「キャラクターは周りにいじられて本領を発揮する。亀梨君の“キャラクターぶり”がプラスに働いた」と評した。
さらに、「ひとことで言うと本作は三木さんの第3ステージ。第1ステージは、『シティボーイズ』的なクスクス笑いをどうフィルムに置き換えていくか。『転々』から『熱海の捜査官』あたりまでの第2ステージは、自己研究、自己批評していくターンだった。そして第3ステージの『俺俺』は、今もっている手法で現代をどう表現していくかということだったと思う」と論じ、三木監督も「まさに」と深くうなずいていた。
平凡な青年・永野均(亀梨)がなりゆきで手を出したオレオレ詐欺をきっかけに、自分の知らない「俺」が増殖し、やがて「俺」同士が互いを削除しあうという異色サスペンス。原作は、大江健三郎賞を受賞した星野智幸の同名小説。
フォトギャラリー
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
ザ・ルーム・ネクスト・ドア
【死を迎える時、どんな最期を選びますか?】“人生の終わり”と“生きる喜び”描く、珠玉の衝撃作
提供:ワーナー・ブラザース映画
キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド
【この最新作を観るべきか?】独自調査で判明、新「アベンジャーズ」と関係するかもしれない6の事件
提供:ディズニー
セプテンバー5
【“史上最悪”の事件を、全世界に生放送】こんな映像、観ていいのか…!? 不適切報道では…?衝撃実話
提供:東和ピクチャーズ
君の忘れ方
【結婚間近の恋人が、事故で死んだ】大切な人を失った悲しみと、どう向き合えばいいのか?
提供:ラビットハウス
海の沈黙
【命を燃やす“狂気めいた演技”に、言葉を失う】鬼気迫る、直視できない壮絶さに、我を忘れる
提供:JCOM株式会社
サンセット・サンライズ
【面白さハンパねえ!】菅田将暉×岸善幸監督×宮藤官九郎! 抱腹絶倒、空腹爆裂の激推し作!
提供:ワーナー・ブラザース映画
激しく、心を揺さぶる超良作だった…!
【開始20分で“涙腺決壊”】脳がバグる映像美、極限の臨場感にド肝を抜かれた
提供:ディズニー