R・パニュのカンヌ“ある視点部門”作品賞受賞作、来年日本公開決定
2013年5月31日 10:00
[映画.com ニュース] 第66回カンヌ映画祭ある視点部門で最優秀作品賞を受賞した「The Missing Picture(英題)」が、2014年に劇場公開されることが決定した。同作は、ソフィア・コッポラ監督作「The Bling Ring(原題)」、俳優ジェームズ・フランコがメガホンをとった「As I Lay Dying(原題)」など18作品のなかから同賞を勝ち取った。
カンボジアのドキュメンタリー作家リティー・パニュがメガホンをとり、撮影と編集も手がけた本作。クメール・ルージュ(カンボジア共産党)による抑圧下で、家族や友人を失ったパニュ監督が、自らの経験を下敷きにカンボジアの歴史を浮き彫りにする。粘土人形たちが織りなすドラマと実写映像を織り交ぜ、主人公の「私」が処分を免れた当時の記録を探し求めるなかで、写真が持つ本当の意味と向き合う様子をドキュメンタリータッチに映し出す。
パニュ監督は、01年に「さすらう者たちの地」が山形国際ドキュメンタリー映画祭大賞、03年に「S21 クメール・ルージュの虐殺者たち」が同映画祭優秀賞を受賞するなど、日本でも高い支持を受けている。11年には、大江健三郎の第39回芥川賞受賞作を独自の解釈で映画化した「飼育(2011)」が、第24回東京国際映画祭のアジアの風部門に出品され、注目を集めている。
「The Missing Picture」は、14年に全国で公開。