第32回藤本賞は「テルマエ・ロマエ」の稲葉直人氏
2013年4月30日 15:00

[映画.com ニュース] 第32回藤本賞が決定した。藤本賞に輝いた「テルマエ・ロマエ」の稲葉直人氏はじめ、特別賞の「名探偵コナン」シリーズ・諏訪道彦氏、奨励賞の「桐島、部活やめるってよ」の佐藤貴博氏らテレビ局のプロデューサーの受賞が多いのが、今回特に目立つ。授賞式は6月6日、東京・パレスホテルで開催される。
▽藤本賞=稲葉直人(「テルマエ・ロマエ」)・受賞理由「日本での実写映画化は不可能と思われた同名コミックを、イタリア・チネチッタ撮影所のオープンセットとCGを組み合わせる手法と、古代ローマ人を日本人俳優に演じさせる破天荒なアイデアで、これまでになかった全く新しいタイプのコメディを開拓し、多くの観客を集めた功績に対し」
▽特別賞=河村光庸(「かぞくのくに」)・「北朝鮮への帰国事業で離ればなれに育った兄を持つ、ヤン・ヨンヒ監督自身の体験を下敷きにしたこの作品は、忘れてはならない過酷な政治的現実を、普遍的な家族の絆を描く形で映像化した傑作となったが、この企画を実現させるために、資金面から公開まで、見事なプロデューサー・ワークでこの作品を支えた功績に対して」
▽特別賞=諏訪道彦、浅井認、石山桂一(「名探偵コナン」シリーズ)・「1997年に始まった劇場版『名探偵コナン』シリーズで、常に高いクォリティーを追求し、コミックやテレビアニメと差別化した映画向きの題材を、1年かけて脚本を練り上げ、工夫を凝らした演出で躍動感あるアニメーションにし、興行としても、最新作まで16作品で多くの観客から支持され続けた功績に対して」
▽奨励賞=原田眞人、石塚慶生(「わが母の記」)・「10年前に井上靖の自伝的小説の映画化を着想した原田監督の脚本を、監督自身と石塚プロデューサーは果敢に映画化を実現、古き良き昭和の雰囲気を絶妙に再現させながら、主人公の小説家親子三代の見事な大家族ドラマとし、母親と息子という濃密なテーマを描き切った傑作を生み出した功績に対して」
▽奨励賞=佐藤貴博(「桐島、部活やめるってよ」)・「高校生の日常を一人称で描いた同名小説を吉田大八監督と共に映画化、登場人物ごとの視点から同じ日を繰り返し見せる構成と、今の高校生の微妙な感情を切り取った斬新な映像作品として完成させ、公開後は、都内では異例のロングラン上映となるなど、平成世代の共感を集めた青春映画を作り上げた功績に対して」
(文化通信)
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