安藤サクラ、代表作「かぞくのくに」の進化を「一生見守っていきます」
2013年3月15日 22:00
「帰国事業」により北朝鮮に暮らしていた兄のソンホ(井浦新)が、病気療養のため25年ぶりに妹リエ(安藤)が暮らす日本に戻ってくる。異なる環境で育った兄妹は価値観や生活様式の違いに困惑しながらも、引き裂かれた家族の絆を見つめ直していく。第86回キネマ旬報ベスト・テンの日本映画第1位、第55回ブルーリボン賞作品賞など数多くの賞を受賞し、第85回米アカデミー賞外国語映画賞日本代表にも選ばれた。
ドキュメンタリー「Dear Pyongyang ディア・ピョンヤン」「愛しきソナ」で知られるヤン・ヨンヒ監督は、「公開前に新宿のゴールデン街を一軒一軒チラシやポスターを置いてもらうため、すがるような気持ちで回っていたのが昨日みたいな感じ」と想像以上の反響に驚きを隠せない様子。安藤も、「公開されて時間が経って、違う作品に入ったりすると前の現場を懐かしく思ったりするものだけど、この『かぞくのくに』はずっと横にいる感じ。そういう作品に出合えたのはうれしい。一生、この『かぞくのくに』の進化を見守っていきます」と言葉を絞り出した。
在日コリアン2世のヨンヒ監督が自らの体験を題材に脚本を書き上げ、「ひらがなの“くに”は場所という意味で、帰る場所、生きていく場所。居場所を探して50年近くあがいていたけれど、やっと生まれ育った国で居場所を見つけられた。映画を作ることで実際の家族には会えなくなったけど、逆に映画で新しい家族を得られた」と感慨深げ。そして、「やっとスタートラインに立てた。これからもこの作品に恥ずかしくないように、ヤンらしいといわれる作品をつくり続けたい」と抱負を語った。
安藤は、「監督の人生の映画化。映画を1本作り上げるエネルギーってものすごいけど、特にこの組はものすごい」と言葉に詰まると、ヨンヒ監督に耳打ちで何やら相談。するとヨンヒ監督は、「セックスを3万回するよりもすごい体験だったって」と暴露し、安藤はすかさず「違う! やるやらないではなく、捧げる意味のセックス。自分の本当に大切な何かを捧げる同志で、特別な関係性が生まれたということ。“安藤サクラ、『かぞくのくに』でセックス3万回”とか書かれちゃうんだから!」と慌てて弁解し、笑いを誘っていた。
「かぞくのくに」のDVD&ブルーレイは、3月22日発売。