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カンヌを制し、アカデミー賞外国語賞受賞 M・ハネケ監督が語る「愛、アムール」

2013年3月8日 13:00

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ミヒャエル・ハネケ監督
ミヒャエル・ハネケ監督
(c) Kazuko Wakayama

[映画.com ニュース] 昨年のカンヌ映画祭最高賞パルムドール受賞後、世界各国の映画祭を席巻しているミヒャエル・ハネケ監督の「愛、アムール」が、3月9日に公開される。フランスの名優ふたりを起用し、長く連れ添った老夫婦の愛の形を描いた物語だ。今年の第85回アカデミー賞でも、フランス語作品でありながら作品賞はじめ5部門ノミネートという快挙を果たした。2月24日に行われた授賞式直後、ハネケ監督に外国語映画賞受賞の喜びと、作品について聞いた。

外国語映画で、アカデミー賞作品賞と外国語映画賞のノミネートの前例は多くない。結果、見事外国語映画賞を受賞した。「こういったコンペティションで賞をとれたのですから大変嬉しいです。ほかに何が言えるでしょうか(笑)。おそらく外国語映画賞にはノミネートされるかな、と思っていましたが、そのほかの賞にもノミネートされたことに、私のみならず皆が驚きました」と喜びを語る。

時に冷徹な視線で、人間の営みを映し出してきたハネケ監督作だが、今作はひと味違った深い余韻を残す作品に仕上がっている。今作が批評家や世界中の人々に受け入れられたことについての考えをこう述べる。

「今回の作品は例外的にたくさんの賞を受賞しましたし、観客の評判も非常に良いですよね。例えば作品によっては、良い作品なのに観客の評判がよくないこともありますから、なぜ今回の作品がこれほど受け入れられたのか、と考えると、やはりテーマではないでしょうか。皆の心を打つのだと思います。それはヨーロッパだけでなく、アジアやアメリカでも皆さんの心を打つところのあるテーマだったのではないでしょうか。実際たくさんの人に言われました、あなたは私の家族の話を語ってくださいましたね、と」

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日本でも社会的な問題となっている老老介護を描いているが、監督がフォーカスしたかったのは夫婦の介護問題ではない。「80年代より前には病気のご老人を自宅で介護することが可能だったと思うのですが、80年代以降はガラリと変わり、家族では介護できず、病院やホスピスに預けられるということが、とても多くなっていると思うのです。ですので、本作の中で出てくる介護の仕方というのは、典型的な話ではないかもしれません。というのも、彼らにはお金があって、だからこそ介護人を家で雇うことができる。そういう現実でした。ただ、私が言いたいのは、自分にとって、介護の問題が今回の一番大切なテーマだとは思っていません。この映画で社会問題を扱うつもりはなかったのです。私が扱いたかったのは、自分が本当に愛している人の苦しみをどういう風に周りの人が見守るか、そういうことを描きたかったのです」

齢80を超えた名優ジャン=ルイ・トランティニャンとエマニュエル・リバが迫真の演技で織りなす夫婦の姿を通し、作品を見た誰もが己の死生観を改めて考えさせられるだろう。日本公開にあたり、監督はこう締めくくる。「病気であるとか、死であるとか、そういうものを描いた作品ではなく、これは愛について語られた映画なのです。すでに多くの人たちから、見る前は先入観で怖くて、憂鬱になるのかな、病気や老人の話で気分が滅入るかな、と思っていたけれど、実際見た後は、何か慰められた気持ちになって映画館を出ることができた、という言葉を多く聞きました。日本でこれからご覧になる方にはぜひそのことをお伝えしたいです」

愛、アムール」は3月9日全国で公開。

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