「ファの豆腐」「冬の日」両監督がスクリーンで観賞する意義を説く
2013年2月28日 16:30

[映画.com ニュース] 国内外で活躍するクリエイターら10人が、次世代の人材を発掘・育成するプロジェクト「コ・フェスタPAO」に選出された「ファの豆腐」と「冬の日」が、「白い息」と題して3月2日から同時上映される。「ファの豆腐」の久万真路監督、「冬の日」の黒崎博監督が、それぞれの作品の見どころと劇場で鑑賞する意義を熱く語った。
菊池亜希子が主演する「ファの豆腐」は、父と豆腐屋を営む朝子がある日、幼なじみの男と再会したことをきっかけに、穏やかで静かな日常を送っていた心に微妙な変化が訪れるさまを描く。李相日監督の「悪人」や西川美和監督の「ゆれる」で助監督を務めてきた久万監督は、「自分の足元を見つめることによって、何らか進めるんじゃないかという映画を作りたいと思ったんです」と製作経緯を明かす。
劇場で見てもらうことを前提で作っているといい、「特にこの作品は、スクリーンで感じてもらう微妙な心の壁を映した映画だと思うので、暗闇のなかのスクリーンでしか共有できないものがあるんじゃないかと信じて作りました」とこだわりを説く。さらに、「主演の菊池亜希子さんは表現が派手な方ではないのですが、何かつい見てしまうという魅力をもっていらっしゃる方だと思います。それがスクリーンで、より感じられるのではないかなと思っています」と話している。
「冬の日」は、長澤まさみと風吹ジュンが主演。映画「セカンドバージン」のメガホンをとった黒崎監督が描くのは、カメラマンになる夢をあきらめ、実家の写真館に帰ってきたリサ。ある雪の日、リサは現れたひとりの女性が抱える秘密を知ってしまう、という設定だ。
2年前の3月に公開するために作った今作だが、東日本大震災の影響で公開はかなわなかった。作品のテーマが「『生きるということ』や『命』に深くかかわった映画でして、この2年間の月日を乗り越えて、改めて皆さんに見ていただけるので、すごく幸せな気持ちです」と心情を吐露する。
黒崎監督自身、「劇場で映画を見るということが、ふだんから自分にとってすごく特別な行為だと思っているんです」と語る。そして、「ぜひ役者さんのお芝居を見てもらいたいです。長澤まさみさん、風吹ジュンさんという違った世代の女性がぶつかりあって響きあう、そこで何が生まれるのかということを試してみた物語だと思っています」と見どころを熱く説明した。
「白い息」は、3月2日から東京・ユーロスペースで公開。
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