オスカー主演男優賞ノミネートのホアキン・フェニックスは賞嫌いの異端児!
2013年2月18日 19:30
[映画.com ニュース]アカデミー賞主要3部門(主演男優賞、助演男・女優賞)にノミネートされたポール・トーマス・アンダーソン監督「ザ・マスター」で主演を務めるホアキン・フェニックスの熱演とその発言に注目が集まっている。
第2次世界大戦後、アルコール依存症を抱え、社会に適応できずにいた退役軍人(フェニックス)が、独自の信仰により信者を増やす教祖(フィリップ・シーモア・ホフマン)とのかかわりを描いた。2人の演技は高く評価されており、昨年のベネチア国際映画祭ではフェニックス、ホフマンがともに優秀男優賞をダブル受賞している。
しかし、フェニックスは天才的な才能を持つ一方で奇人として知られ、2008年にケイシー・アフレック監督のモキュメンタリー「容疑者、ホアキン・フェニックス」の役作りということを伏せ、突如俳優引退と歌手転向を発表して世間を騒がせた。今作「ザ・マスター」ではベネチア、トロント国際映画祭の会見を欠席するなどマイペースを貫き、インタビューでは「おれたちはニンジンをぶらさげられるわけだが、正直言って、あれほどまずいニンジンは食べたことがない」と、賞レースでのキャンペーン活動を拒否する旨の発言をしている。
賞嫌いとして認識されているフェニックスだが、ロンドン批評家協会賞受賞時には「おれは俳優として賞を勝ち取るという概念に困惑している。映画のような主観的な媒体で、俺が最優秀主演賞だと決められるのは、奇妙で仕方ないんだ。おれがまるでひとりでその役を作り上げたかのように見える。でもそうじゃない。だから、まず仲間にお礼が言いたい」と共演者やスタッフたちに感謝を伝えており、その実像は自分の才能におごることのない謙虚な人物のよう。またこの日は、フェニックス同様アカデミー賞主演男優賞を有力視されている、ダニエル・デイ=ルイス 主演の「リンカーン」に好意的なコメントを寄せた。
それを受けて、デイ=ルイスは、1月に行われた全米俳優組合賞主演男優賞受賞時に「きっと今夜は見てないと思うけど、ホアキン、君は著しく優れた役者だ。君が今夜、僕らと一緒にここにいないのが残念だよ」とフェニックスを賞賛。来週に迫ったアカデミー賞授賞式での結果と、フェニックスの言動に期待したい。
「ザ・マスター」は3月22日全国で公開。
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