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才気煥発!若きベルトルッチの未公開作が45年を経て公開「ベルトルッチの分身」予告編

2013年2月8日 18:00

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「ベルトルッチの分身」の一場面
「ベルトルッチの分身」の一場面
(c) 1968 Red films Produced by Giovanni Bertolucci

[映画.com ニュース] 巨匠ベルナルド・ベルトルッチ監督が1968年に発表した長編第3作「ベルトルッチの分身」が45年を経て日本で初の劇場公開が3月9日に決定、このほど予告編が公開された。

世界的巨匠の監督デビュー50周年を記念した企画で「ベルトルッチ初期傑作選」と題し、この「ベルトルッチの分身」と処女作「殺し」(62)、64年発表の「革命前夜」という3作品を同時上映する。また、ベルトルッチ監督10年ぶりの新作となる「孤独な天使たち」の公開も決定している。

ベルトルッチの分身」は、ドストエフスキーの「分身」を換骨奪胎し、主人公の青年ジャコブが、融通のきかない真面目な青年と狂暴で破壊的な殺人者という極端な2つの人格に引き裂かれていく姿を、ベルトルッチならではの世界観で仕立て上げた。初期のベルトルッチ監督は、自身を投影している主人公の自己探求を“主人公とその分身的な他者”という構図で描き続けており、本作はまさに巨匠の原点といえる作品だ。

ジャコブを演じるのは「昼顔」「豚小屋」などで知られるピエール・クレマンティティナ・オーモン、「暗殺の森」のステファニア・サンドレッリが共演する。ベルトルッチ監督初のオールカラー作品でもあり、大胆で鮮やかな色使いとイタリア映画音楽界の至宝エンニオ・モリコーネの楽曲が作品を彩っている。

予告編は、カール・ドライヤーの「吸血鬼」を彷彿(ほうふつ)させる、ジャコブの前に巨大な影となった分身が現われるシーンからスタート。ジャコブが凶暴な分身に翻弄される姿を映しだし、当時ベルトルッチ監督が心酔していたジャン=リュック・ゴダール監督の「中国女」などからの影響も見て取れる。

2003年の「ドリーマーズ」発表後、病のため車椅子生活を余儀なくされたベルトルッチ監督。一時は引退を覚悟したが、車椅子に座ったまま映画を撮ることを模索し、2012年カンヌ映画祭特別招待作品として上映された「孤独な天使たち」で完全復活をアピールしている。

「ベルトルッチ初期傑作選」は、3月9日からシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。「孤独な天使たち」は、2013年ゴールデンウィークにシネスイッチ銀座ほか全国順次公開。

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