竹内結子&西島秀俊、果てしなく広がる「ストロベリーナイト」への思い
2013年1月28日 15:00

[映画.com ニュース] 警視庁刑事部捜査一課殺人班十係、通称・姫川班。個人やバディが軸となるこれまでの刑事ドラマとは一線を画し、一個班の結束で難事件や組織に立ち向かっていくストーリーテリングが「ストロベリーナイト」の大きな魅力のひとつだ。スペシャルドラマ、連続ドラマを経てついに映画化されたが、主任の姫川玲子と部下の菊田和男を演じる竹内結子と西島秀俊はシリーズ最大の試練と向き合うことになる。それぞれ3年にわたって演じ続けてきた役への愛情、そして“姫川班、最後の事件”に挑んだ思いを語る。
まさに満を持して、待望といえる「ストロベリーナイト」の映画化。だが、当の竹内は「そういう流れって王道だよね、みたいな話は聞いていましたけれど、本当にやるとは思いませんでした(笑)。(ドラマで)やり切ったという部分と、先のことを考える余裕が全くなかったんです」と想定外だったと強調する。
ゆえに映画化決定の一報にも、「ご褒美としてはうれしかったんですけれど、いざ内容を読んだらけっこう衝撃的だったので…。ん~、大変なことになったなあと思いました」と複雑な胸中を吐露。一方の西島は、「もともとドラマの表現の限界を超えることを目指していたチームなので、映画になれば表現の範囲が広がる。そういう『ストロベリーナイト』を見たいというのが個人的にはありました」と、独特の視点で喜びを表現する。
映画版の原作は、誉田哲也氏の姫川シリーズの中でも傑作の呼び声が高い「インビジブルレイン」。暴力団構成員の刺殺事件を担当することになった姫川は捜査の過程で「柳井健斗」という名前を耳にするが、上層部から「一切触れるな」と圧力がかかる。納得がいかず単独捜査に乗り出す姫川の前に現れたのが牧田勲(大沢たかお)。この存在が事件の背景、そして姫川の心に大きく関わり、さらには姫川にほのかな思いを寄せる菊田をも揺るがすようになっていく。
「もう後戻りのできない決定的な瞬間を皆が迎えることになる。事件を解決すればすべてがいい方向に向かうと信じてきたものが揺らぐし、玲子が異性を意識するとこんなことになってしまうのか! と苦しくもあり。今までと勝手が違う感触を日々の撮影で感じていました」という竹内。菊田は小説ではほとんど登場しないが、脚色によって牧田と直接対じするほどの大きな存在となり、西島は「牧田が登場したことで、どうしても大人の男や恋愛の部分を表現せざるを得なくなった。菊田のそういう部分を演じる時は面白いし意味はあるんですけれど、無意識にストッパーがかかっていたかもしれない。実際、演じるにはすごく勇気がいることだし、監督の後押しがなければ違う解釈で演じていただろうなというところもあります」と述懐する。
それにしても、足掛け3年にわたって同じ役と向き合う経験はなかなかない。役者として得られたものも大きいはずで、竹内は「自分から何かを提示したり、自分は正しいと思う物事に対しては発言することがあってもいいんだなって。玲子ほどではないけれど、言わないで我慢して後でウジウジすることがよくあったので、言ってみちゃえばいいじゃんって思えるようになったことですかね」と分析。西島「それだけ時間をかけていろいろな面を出せるし、俳優として変化もある中でひとつの役をやっていくのは面白いですね」と笑みをこぼした。
原作は昨年11月にシリーズ最新作「ブルーマーダー」が刊行された。映画が公開される26日には、スペシャルドラマ「ストロベリーナイト アフター・ザ・インビジブルレイン」もオンエアされた。まだまだ竹内率いる姫川班の活躍が続くことを期待したい。
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