本木雅弘、アカデミー賞が導いた「ライフ・オブ・パイ」との不思議な縁
2013年1月9日 12:30

[映画.com ニュース] 俳優の本木雅弘がアン・リー監督の最新作「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」の日本語吹き替え版で、初の実写洋画吹き替えに挑戦した。
少年とどう猛なトラが1隻の救命ボートで227日間にわたって漂流する姿を、壮大なスケールと神秘的な3D映像で描くドラマチックな一作。本木は、「声だけという形でもアン・リー監督の作品に参加できるなんて光栄。実は声優の候補者リストを見ながら、アン・リーが『彼は“Departures”に出ていた俳優だよね』って言ってくれたみたい。出会いって思わぬ形で飛び出してくるものですね」と感想を語る。第81回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞した「おくりびと」(英題「Departures」)が、本年度のオスカー有力の呼び声も高い本作との橋渡しとなり、本木を新たな表現のステージに誘った。
本木が演じるのは、イルファン・カーンが演じる主人公パイの成長した姿。そのカーンは、「おくりびと」と同じ年度のアカデミー賞で作品賞を受賞した「スラムドッグ$ミリオネア」に出演しており、ここでも“オスカーの縁”を感じさせる。「抑えた雰囲気のなかに、静かな迫力を感じさせる俳優さん。線の細い薄味の自分が(笑)、演じられるのかっていう不安もあって、最初は気負いましたね」と本木。それでも少年時代に体験したサバイバルを回想するという役割に「いい意味でストーリーを補強するナレーションとして捉え、語りに感情をこめることに努めました」と振り返る。
映画はアン・リー監督が初の3Dに挑み、「アバター」のジェームズ・キャメロンが提供した最先端のデジタル・テクノロジー技術を駆使し、ダイナミックな映像美を生み出すことに成功した。“先駆者”キャメロンをして「これこそ3D映画のあるべき姿だ」と絶賛する世界観に、本木も「すっかり魅了された」といい、「臨場感あふれるリアルな迫力が、主人公の過酷な冒険を自然と見る側に引き寄せてくれる。それにすべてを見せるのではなく、うまく割愛することで観客に想像させる余白を残す演出は、さすがアン・リー。映画を見ながら、僕自身も“心の漂流”を体感しました」と言葉にも熱がこもる。
なぜ、絶望的な状況に置かれながら、少年パイは最後まで希望を失わず、生き抜こうとしたのか。本木は、主人公の姿から「希望は誰かが与えてくれたり、ひょいとやって来たりはしない。自分で作り出すものなんだと改めて教えてもらった」という。
「見れば見るほど味わいが変わってくるし、きっと各世代によっても受け取り方が結構違うでしょうね。例えば子どもたちにはスリルあふれる冒険ストーリーだし、僕みたいな伸び悩んでいる中年には(笑)人生を叱咤激励してくれる映画でもあると思う」
「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」は、心の漂流を通して、希望のあり方を問いかけるアン・リー監督の渾身作だ。1月25日から全国公開。

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