映画.comでできることを探す
作品を探す
映画館・スケジュールを探す
最新のニュースを見る
ランキングを見る
映画の知識を深める
映画レビューを見る
プレゼントに応募する
最新のアニメ情報をチェック

フォローして最新情報を受け取ろう

検索

大林宣彦監督、映画界のデジタル化は「科学文明が生んだ芸術の当然の運命」

2012年12月23日 12:15

リンクをコピーしました。
デジタル化の波を肯定した大林監督
デジタル化の波を肯定した大林監督

[映画.com ニュース] 映画界におけるデジタル技術の革命を検証するドキュメンタリー「サイド・バイ・サイド フィルムからデジタルシネマへ」が12月22日、都内の劇場で公開初日を迎え、大林宣彦監督がトークイベントに出席した。

製作を務める俳優のキアヌ・リーブスが自らホスト役を務め、マーティン・スコセッシジェームズ・キャメロンデビッド・フィンチャーら巨匠をはじめ、撮影監督、編集技師ら映画制作者たちへのインタビューを敢行し、デジタル映画制作の未来を探っていく。

最新作「この空の花 長岡花火物語」でデジタルシネマに初挑戦した大林監督は、「多くの人はフィルムの味を出そうとデジタルをやってるけど、それはダメだと思う。デジタルの良さを発見する、それがデジタルをやるということ。だから大学の教授なんかをやってみて、若者のデジタル制作の失敗から多くを学んだ。『この空の花』はフィルムでやったら20億かかるけど、その10分の1以下でできた。フィルムにこだわっていたら実現しない」と力説した。また、「今フィルムをやっているのは山田洋次さんだけ。『僕はフィルムがなくなったら映画を撮れない』と言ってる。それは画質だけの問題でなく、演出にも関わるから。フィルムの予算ではNGを出せるのは2回まで。その緊張感の中でしか用意とスタートがかけられないということ」と解説。そして、「どちらが良い悪いかを決めるのは政治家と経済家。どっちも良いというのが芸術家。『この空の花』がいつか古典と言われるように、若い人に越えていってほしい」と熱く語った。

また、「フィルムで撮るものはデジタルでは撮れない。同時に、デジタルで撮れるものはフィルムでは撮れない。そこから新しい映像文化が生まれる。悪い意味にとらないでほしいけど、是枝君などは素人だった。だから映画を塗り替えることができた」。そして、「誰もが映画を撮れるということは豊かな可能性があるということ。デジタルは自主上映ができるので、興行主に大半をもっていかれることがなくなった。インディーズにとってもありがたいこと」と自主映画の明るい未来を展望した。

さらに、「無声映画がトーキーになった時、誰も進化だと思わなかった。これで映画はダメになると。観客は役者の声を聞いてがっかりしたし、多くの俳優が仕事を失った。だけどそれは科学文明が生んだ芸術の当然の運命。僕は最大のフィルム党だけど、これが時代の流れでもある」とデジタル化の波を肯定。一方で、「アメリカではフィルムとデジタルの両方の可能性を探っているけれど、日本は『オール・オア・ナッシング』で『サイド・バイ・サイド』どころじゃない。日本の映画人は映画界の現状をもっとより深く認識する必要がある。ただただ技術が発達すれば原発みたいなものもできる」と警鐘を鳴らした。そして、「映画は芸術の前に記録装置でもあるから、今後は“映画の保存”の方法をきちんと考えていかなきゃならない。人間には記録したいという欲望がある」と多面的に分析し、観客をうならせていた。

フォトギャラリー

大林宣彦 の関連作を観る


Amazonで関連商品を見る

関連ニュース

映画.com注目特集をチェック

“ベスト主演映画”TOP5を発表!の注目特集 注目特集

“ベスト主演映画”TOP5を発表! NEW

【出演123本の中から、1位はどの作品?】そして最新作は、生きる力をくれる“集大成的一作”

提供:キノフィルムズ

ワン・バトル・アフター・アナザーの注目特集 注目特集

ワン・バトル・アフター・アナザー NEW

【個人的・下半期で最も観たい映画を実際に観たら…】期待ぶち抜けの異常な面白さでとんでもなかった

提供:ワーナー・ブラザース映画

96%高評価の“前代未聞の心理戦”の注目特集 注目特集

96%高評価の“前代未聞の心理戦”

【スパイによる究極のスパイ狩り】目を逸らせない超一級サスペンス

提供:パルコ

映画.com編集長が推したい一本の注目特集 注目特集

映画.com編集長が推したい一本

【ただの映画ではない…】むしろ“最前列”で観るべき奇跡体験!この伝説を人生に刻め!

提供:ポニーキャニオン

酸素残量はわずか10分、生存確率0%…の注目特集 注目特集

酸素残量はわずか10分、生存確率0%…

【“地球で最も危険な仕事”の驚がくの実話】SNSで話題、極限状況を描いた超高評価作

提供:キノフィルムズ

めちゃくちゃ笑って、すっげぇ楽しかった超刺激作の注目特集 注目特集

めちゃくちゃ笑って、すっげぇ楽しかった超刺激作

【これ良かった】激チャラ大学生が襲いかかってきて、なぜか勝手に死んでいきます(涙)

提供:ライツキューブ

なんだこのかっこいい映画は…!?の注目特集 注目特集

なんだこのかっこいい映画は…!?

「マトリックス」「アバター」など数々の傑作は、このシリーズがなければ生まれなかった――

提供:ディズニー

宝島の注目特集 注目特集

宝島

【超異例の「宝島」現象】こんなにも早く、心の底から“観てほしい”と感じた映画は初めてかもしれない。

提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

関連コンテンツをチェック

おすすめ情報

映画.com注目特集 10月4日更新

映画ニュースアクセスランキング