“ホビットご一行”来日!ピーター・ジャクソン監督「今までで一番楽しい体験」
2012年12月1日 14:22
[映画.com ニュース] アカデミー賞を受賞した「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン監督が、同じJ・R・R・トールキン原作の冒険談を映画化したファンタジー巨編「ホビット 思いがけない冒険」を引っさげ、主人公ビルボ・バキンズ役のマーティン・フリーマン、ドワーフのトーリン・オーケンシールドを演じるリチャード・アーミテージ、ゴラム役のアンディ・サーキス、フロド・バキンズに扮するイライジャ・ウッドとともに来日。12月1日に、都内のホテルで5人がそろって会見した。
本編を完成させたばかりの“ホビットご一行”は、11月28日にジャクソン監督の祖国で、ロケ地にもなったニュージーランドでのワールドプレミアを終え、その足で日本上陸。フリーマンが「東京、そして日本が大好きです。たくさんの愛情を注いだ作品を、皆さんと共有できてうれしい」と挨拶すれば、サーキスが日本語で「オハヨ~~ゴザイマス」とゴラムのしゃがれ声を披露するなど登壇者は終始、上機嫌だ。ジャクソン監督は今回、メガホンをとった理由を「正直言うと、他人に『ホビット』を撮られたくなかったから(笑)。私が再び(舞台である)中つ国に戻る手段は、この映画を撮る以外ないし、実際、今までで一番楽しい体験だった」と思い入れたっぷりに語っていた。
主演を務めるフリーマンは、「現場はファミリーという言葉がぴったりで、非常に親密。世界屈指の大がかりな作品なのに、まるで学生映画を撮っているような和気あいあいとした雰囲気なんだ」。“旅の仲間”であるアーミテージも「もともと『ロード・オブ・ザ・リング』のファンだったから、責任や期待の重さも感じたが、ニュージーランドでの18カ月は人生で最も思い出深い、貴重な時間だった」と振り返った。初共演の感想は「とても謙虚で、他人への敬意を忘れない。芯が強くストイックだから、トーリン役に合っている」(フリーマン)、「すばらしい役者。まるでジャズのミュージシャンのように、現場で様々な演技パターンを試していた」(アーミテージ)と互いをたたえ合っていた。
「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズから続投するサーキスとウッドは、中つ国への“帰還”に感無量の面持ち。「旧友との再会ほどうれしいことはない。それに今回はセカンドユニットの演出を任され、新しいチャレンジングな冒険も体験できた。ピーターから多くを学んだし、皆一丸となって150%の力を出しきった」(サーキス)、「今回、ビルボたちが経験する冒険は、ちょうど僕らのそれと写し鏡になっているんだ。彼らが熱い情熱を集結させる姿を見るだけでも、美しい体験だったし、フロドとして戻れたことは大きな贈り物」(ウッド)と本作への思いは格別だ。
映画は「ロード・オブ・ザ・リング」の60年前の世界を舞台に、スマウグと呼ばれる恐るべき竜に王国を奪われた13人のドワーフとホビット族のビルボ、魔法使いガンダルフの壮大な冒険を描く3Dファンタジー超大作。「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズに連なる待望の新3部作で、「ホビット 思いがけない冒険」に続き、第2部「ホビット スマウグの荒らし場」は13年12月13日、第3部「ホビット ゆきて帰りし物語」は14年7月18日に公開を控えている。
本編は226日間にわたり、これまでの映画の倍のフレーム数(48フレーム)を持つ最新鋭の3D技術、HFR3D(ハイ・フレーム・レート3D)で撮影されており、「映画を見る手段が増えた現在、映画館で映画を見る理由を求めていた。この作品はぜひ映画館で見てほしいし、観客の皆さんを映画館に呼び戻す機会になれば」(ジャクソン監督)。新たな冒険の幕開けに、「目指すのは究極のファンタジー。現実とはまったく違う世界に誘うと同時に、リアルに感情移入できるキャラクターが息づく作品なんだ。『ホビット』の3部作には、『ロード・オブ・ザ・リング』に至るヒントや答えもたくさん隠されている。まだ撮影も終わっていないからね」と誰よりも期待に胸をふくらませていた。
「ホビット 思いがけない冒険」は12月14日から全国公開。
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