「かぞくのくに」×「ニッポンの嘘」監督同士のクロストークが実現
2012年9月20日 15:00

[映画.com ニュース] 現在公開中の映画「かぞくのくに」のヤン・ヨンヒ監督と、「ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳」の長谷川三郎監督が9月19日、東京・テアトル新宿でトークセッションを行った。
第85回アカデミー賞外国語映画賞日本代表に選ばれた「かぞくのくに」は、ヤン監督の実体験を基に、帰国事業で北朝鮮へ渡った兄と日本で暮らす妹を中心に国家にひき裂かれる家族の姿を描いた劇映画。「ニッポンの嘘」は、戦後の日本の嘘を暴き続けてきた伝説の写真家・福島菊次郎氏を追ったドキュメンタリー。
「ニッポンの嘘」の福島氏の生きざまに感銘を受けたヤン監督が、長谷川監督に「菊次郎さんと会わせてくれてありがとう」とツイートし、また長谷川監督も「かぞくのくに」鑑賞後の深い感動をヤン監督にtwitter上で伝えたことから今回のイベントが実現した。
「家族の思いがずっと心に残っている。僕らが知ろうとしなかった、苦しさや悲しみなどの事実をあの家族を通して受け取った」とヤン監督に感想を述べた長谷川監督は、「戦後広島の被爆者の一家を10年以上撮っていたり、福島さんが一番たくさんカメラを向けているのが家族。国というシステムの矛盾が一番現れてしまうのが家族だと福島さんは考えたのだと思う」と共通点を見出した。そして、「最近いろんなニュースがあって、中国、韓国、日本がそれぞれの国の物語に巻き込まれて戦ってしまっている。僕は心の中に、この映画で出会った家族の顔などを持つことで、国という枠組みを超えて人と人がつながれるのではという力を感じた」と語る。
それを受けてヤン監督は「個人の顔が見えると、その人がいる政府に対してはNOでも、その国の全ては憎くならないはず。拉致問題があった後、日本人が北朝鮮に好感を持つのは無理なこと。でも、政府に対する思いと、一般の人に対する先入観は一緒になってはいけないと思う。個人の顔を知らせるのが映画の役割だと思う」と持論を述べた。
ヤン監督が「私は在日全般の話をしているのではなく、“私”の話をしているだけ。菊次郎さんの様にとことん主観的なものを作りたい」と意欲を燃やすと、長谷川監督が「福島さんは時代というものに怒って、譲らず頑固にやっている。ヤン・ヨンヒ監督は女版、福島菊次郎さんのようです」と締めくくった。
9月22日に、銀座シネパトスで「ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳」10時15分の回上映終了後、再び両監督によるトークイベントを開催する。
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