シャーリーズ・セロン、悪役を演じるときほど生き生きとする本音に迫る
2012年6月15日 15:00
[映画.com ニュース] アカデミー賞主演女優賞を受賞した「モンスター」では実在の連続殺人鬼に、「ヤング≒アダルト」(11)では既婚の元恋人に復縁を迫る性悪女に扮した女優シャーリーズ・セロン。悪役を演じるときほど生き生きとした魅力を放つ彼女が、新作アクション・アドベンチャー「スノーホワイト」で、永遠の美と若さに固執しスノーホワイトの命を狙う女王ラヴェンナとして、強烈な存在感を示した。劇中では特殊メイクによって持ち前の美貌が崩れゆくさまを見せ、ほんのおやつと言わんばかりに小鳥の心臓を美味しそうに食べている。
200年前に書かれたグリム童話の名作「白雪姫」を、「アリス・イン・ワンダーランド」のスタッフが斬新な解釈を加えて映画化。スノーホワイト(クリステン・スチュワート)が、ハンターのエリック(クリス・ヘムズワース)や幼なじみのウィリアム王子(サム・クラフリン)の力を借りて、甲冑を着た戦士として、王国を取り戻すため女王ラヴェンナと対決する――ただかわいいだけじゃない、勇ましい21世紀版・白雪姫が誕生した。「どんな作品も、撮影に入って最初の1週間はキツいの。どうやって演じるべきか手探りしている状態だから。音楽を奏でながら、リズムを確かめているような感じよ」と話すセロン。「鏡よ、鏡。この世で一番美しいのは誰?」というあの有名なセリフが登場するシーンは、クランクイン初日に撮影された。
「パニック状態だったわ。だって、あれは“私の名前はボンド。ジェームズ・ボンド(My name is Bond. James Bond.)”と同じくらい誰もが知っているセリフで、同時に映画の中で唯一原作に忠実な場面なのよ。だからすごく慎重に演じる必要があった。ラヴェンナがいつから鏡に問いかけてきたかは分からないけれど、私はあの鏡が彼女の内面そのものであり、彼女自身の狂気、不安を反映しているということを表現したかったの。その方がラヴェンナという存在がリアルに感じられると思ったから。私はいつも自分の演じるキャラクターにリアリティを与えたいの。そのためにすごく努力しているつもりよ。今回も、おとぎ話だからといって現実味のないキャラクターにはしたくなかった」
ご覧の通り、誰もが認める絶世の美女だ。しかし、前作の「ヤング≒アダルト」といい、今回の「スノーホワイト」といい、できれば一生かかわりたくない“悪い女”を演じることが多い。そして、そんなときほどセロンの魅力はますます輝く。「ふだん、私たちは良い人間であろうとするし、そのように振舞おうする。でも、映画の中ではたとえ他人から嫌われようと、思うままに話し行動することができるの。女優としては、そういう役柄を演じるときにカタルシスを感じるわ。でも、楽しさを感じられるのはキャラクターに説得力があるときだけよ。ただ汚い言葉を発したり、バカ騒ぎをするだけならシラケけてしまうわ。なぜそういう人間になったのか、そういう行為に走るのか、少しでも理解することができればイヤな女だろうと親近感を得られるのよ。『ヤング≒アダルト』のメイビスも『スノーホワイト』のラヴェンナも、共感する部分があるキャラクターだと思うわ」
「白雪姫」といえばもう1本、アメリカでは今年、リリー・コリンズがスノーホワイトに、ジュリア・ロバーツが悪の女王に扮した「白雪姫と鏡の女王」が公開されている。なぜ、今この題材にハリウッドの製作者たちが注目するのだろうか。「それだけ豊かなテーマを含んだストーリーだからじゃないかしら。あっち(『白雪姫と鏡の女王』)はコメディでファミリー向けだけど、『スノーホワイト』はもっとダークでアクションの要素が強い。つまり、いろんなジャンルに転換できるところも魅力なんだと思うわ。1800年に書かれた作品なのに、パワフルな女性が2人も登場するというのは素晴らしいし、現代でも全く古さを感じない。男性の強さだけでなく、脆い部分が描かれているところも気に入っているわ」
ところで、もしラヴェンナと同じ魔法の鏡を手にしたらどうするの? という問いには、「速攻で捨てるわ。私のバスルームにある鏡が、もう十分真実を語っているから(笑)」。セロンは今年3月に男児と養子縁組し、シングルマザーとなった。最近では子どもからインスパイアされることが多く、より大きな視点で物事を見るようになったという。まだ新米ママゆえ、仕事においての大きな変化はないが、「息子が40ぐらいになるまで見せられない、ひどい女の役ばかり演じてきたから、今後は子ども向けのアニメ作品に声優として出るのもいいかなと思っているわ。ただしその場合、性格のいいキャラクターに限るわよ」
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