往年の“SMの女王”谷ナオミ「SEXは神聖なもの」と現代社会に警鐘
2012年5月20日 21:41

[映画.com ニュース] 日活ロマンポルノに出演し“SMの女王”の異名をとった谷ナオミが5月20日、東京・渋谷のユーロスペースで行われている「生き続けるロマンポルノ」の上映に際し、かつて多くの作品でタッグを組んだ小沼勝監督とともに舞台挨拶に立った。
現在63歳の谷は、この日のために熊本から上京。女優引退後は輸入家具の輸入事業などを展開してきたが、今年に入ってその事業も他人に譲り渡し、いまは悠々自適の日々を過ごしているという。独立プロダクションから日活に移籍した後の初主演作で、小沼監督とタッグを組んだ団鬼六原作の「花と蛇」(74)について「日活にとってもSMは手探りで、プロの緊縛師の方が来て縛っていただきました。縄をほどいたときに全身の血が逆流するんです。ムチやロウソクの痛みは一瞬ですが、ロープはきつかったですね」と振り返った。
小沼監督は、「最初の頃は谷さんとよく脚本の段階で対決があった」と述懐。一方の谷は「現場に入ってモメたくなかったので、本の段階でとことん話をして、納得してインしてました。逆に現場で『NO』と言ったことはなく、どんなシーンも黙ってこなしました」と女優魂をのぞかせた。トレードマークと言える白い肌は健在だが「あの頃は髪を切ったことも肌を焼いたこともなかった。体が商品でしたので。『デビューから引退まで乳首の色が変わらなかったのは谷ナオミだけ』と言われました」と誇らしげ。そして、「当時の日活は東洋一のスタジオと言われてましたが、一番きれいなときを半永久的に残していただけたのは幸せなことでした」と笑顔を見せた。
昨今はネットなどで手軽に性の情報が手に入り、情報が氾濫しているが「SEXというのは生きる希望がわく神聖なもの。いまの若者がスポーツ的に捉えて、この人は彼氏、この人は友だちという感覚は理解できない。秘められ、隠されて想像の部分で燃えるもの」と説いた。さらに、「私たちの頃はテレビでおかしなことを言わないように徹夜で覚えたりしたもの。いまの子たちがテレビで突拍子もないことを言い、それを世の中が受け入れるというのもおかしいと思います」と警鐘を鳴らした。
特集上映「生き続けるロマンポルノ」は、同館で6月1日まで開催。
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