若松孝二監督の三島由紀夫映画、カンヌ映画祭ある視点部門に!
2012年4月19日 21:29
[映画.com ニュース] 若松孝二監督の最新作「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」が、第65回カンヌ映画祭ある視点部門に正式出品されることがわかった。三島を演じた主演の井浦新は、今作のために芸名をARATAから本名に戻すほど強い思い入れを注いだ渾身(こんしん)の作品だ。
1970年11月25日、自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自決へいたるまでの三島と「楯の会」に所属する若者たちの物語を映画化した今作。学生運動全盛期の68年、三島は文筆業の傍らで民族派の学生たちと「楯の会」を結成し、有事の際には自衛隊とともに決起すべく訓練を積んでいたが、警察権力の前に自衛隊の出動機会はなく、楯の会の若者たちはいら立ちを募らせていく。
ある視点部門は、同映画祭の公式部門で、若手監督作を中心にオリジナリティあふれる作品を選出する。今回の審査委員長を務めるのは、英俳優で監督としても活躍するティム・ロス。昨年は加瀬亮の出演作「永遠の僕たち」がオープニング作品として上映され、キム・ギドク監督の「アリラン」とドイツのアンドレアス・ドレセン監督の「Stopped on Track(英題)」が同位だった。
若松監督作では、「キャタピラー」に主演した寺島しのぶが、第60回ベルリン国際映画祭で最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞する快挙を成し遂げている。右足かかとをはく離骨折したまま撮入した井浦の演技を、カンヌがどう評すのかに大きな注目が集まる。