ジェームズ・キャメロン監督が来日!「タイタニック」3D化へのこだわり熱弁
2012年3月30日 17:08
[映画.com ニュース] 来日したジェームズ・キャメロン監督が3月30日、都内で記者会見を行い、第70回アカデミー賞で作品賞をはじめ11冠に輝く「タイタニック」(1997)を3D化した「タイタニック(3D版)」をアピールした。来日は2009年12月に行われた「アバター」のジャパンプレミア以来。東日本大震災の発生から、初めて日本の地を踏み「被災された方々に改めてお見舞い申し上げます。日本人の強さを目の当たりに、復興に立ち上がる姿に敬意を表します」と挨拶した。
全世界で18億3500万ドル(当時)という映画史上歴代第1位の興収を稼ぎ出し、日本でも1年を超えるロングラン上映を達成し、興行収入262億円を記録。今なお、日本における洋画興行の記録になっている。タイタニックの悲劇から100年を迎えた今年、15年ぶりにスクリーンに“帰還”。新たに製作費1800万ドルをかけ、キャメロン監督自身がすべてのショットを3D化した。
「悲劇から100年という契機を迎え、映画そのもの以上に、実際の沈没事故に再び注目が集められたら」と今回、3D化に踏み切った理由を説明。3D化には60週間以上、300人のスタッフが投じられ「髪の毛1本1本にまで、奥行きと厚みを与えるプロセスをスタッフ全員が手作業で行っている。本当に気の遠くなる作業だ」。2D作品を3Dに転換する際に必要なものは「ハート、目、脳みそだ。何か特殊なソフトウェアに通せば、3Dになるというわけではない」とこだわりを熱弁した。
特に「タイタニック」のような大作は「大スクリーンでこそ“進化”が確認できる。3Dだからこそ、作品に新しい命が吹き込まれ、新たな世代にアピールできるのだと思う」。それだけに「2Dで撮った作品を、安易に3D化する手法には反対だ。もし3D映画を作りたいなら、最初から3Dで撮影すべき」と苦言を呈す場面も。「過去の作品を3D化する際も、“正しい”方法というものがある。ときにスタッフが奥行きや厚みを強調し過ぎてしまうこともあるから、私が作品の生みの親として、的確な指示を出す必要があった」と舞台裏を明かした。
映画ファンにとっては、「ターミネーター2」「アビス 完全版」といった過去のキャメロン作品の3D化にも期待したくなるが「今のところは具体的な予定はない」という。それでも「今回、3D化した『タイタニック』の反応次第かな。特に『ターミネーター2』は3Dに適していると思う」と3D化に含みを残した。
先日は、世界で最も深い海溝といわれるマリアナ海溝の最深部チャレンジャー海淵への単独潜航に成功したばかり。「冒険にはリスクもつきものだが、得るものが大きい。たとえ砂ひと粒でも採取できれば、学術的な成果と言えるしね。そのために機材を改良することもあるし、今後の映画撮影に役立つことも。つまり、単にスリルを求めているわけじゃないんだ」と“冒険家”としての一面も披露。「次の目標? 火星ロケットを作りたいね。予算が足りないんだけど」と笑みを見せた。会見にはプロデューサーのジョン・ランドーが同席した。
「タイタニック(3D版)」は4月7日から日本公開。
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