蓮佛美沙子「初心に帰れた」 戸惑いと葛藤抱えた「RIVER」封切り
2012年3月10日 15:29

[映画.com ニュース] 2008年に起こった秋葉原無差別殺傷事件を題材にした「RIVER」が3月10日、東京・渋谷のユーロスペースで封切られ、主演を務めた蓮佛美沙子、共演する小林ユウキチ、メガホンをとった廣木隆一監督(「ヴァイブレータ」「軽蔑」)らが初日舞台挨拶を行った。
恋人が殺傷事件の犠牲となった少女(蓮佛)が、秋葉原の街でさまざまな境遇の人々と出会い、過去・現在・未来が絶えず流れる時間の“川”を見つめ、再生へと踏み出す姿を描く。
蓮佛は「ここまで戸惑いや葛藤を抱えた作品は初めて。それだけに初日を迎えてホッとしています」。念願だった廣木作品への出演で「監督はいつも私の心がちゃんと動いているか見ているから、いつ怒られるかわからなくて(笑)。ふだんは計算しながらお芝居しちゃうこともあるが、今回は余計なものをそぎ落とす作業。初心に帰ることができた」という。15分間に及ぶ長回しで、秋葉原をさまよい歩くシーンもあり「撮影初日に撮った。最後のセリフを間違えたらどうしようと思ったが、歩いていると自然と気持ちがブワーと出てきて……。あれが初日で良かったです」と振り返った。
撮影の準備中に東日本大震災が起こり、製作があやぶまれた。廣木監督は「この時期に、こんな映画を撮るのはと考えたが、逆に現実に起こったことに目を背けても仕方がない」と当時の心境を述懐。急きょ、昨年4月に小林とともに被災地となった宮城県南三陸町や仙台市若林区で撮影を敢行し「その場に立ったことに意味があったと思う」。小林は「ウソみたいな光景。まるでゲームの中のような感覚で、怖かったです」と話した。
舞台挨拶には中村麻美、尾高杏奈、小林優斗、Quinka, with a Yawan(キンカ、ウィズアヨオン)、megが出席した。
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