石井岳龍10年ぶり新作発表 主演はベネチア新人賞の染谷将太
2011年11月9日 08:00

[映画.com ニュース] 石井聰亙として80年代に発表した「狂い咲きサンダーロード」「逆噴射家族」など、独自の型破りな世界観で今なおカルト的な人気を集め、昨年から岳龍と改名した石井監督の10年ぶりの新作「生きてるものはいないのか」の公開が決定した。「ヒミズ」(園子温監督)で第68回ベネチア国際映画祭の最優秀新人賞にあたるマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞した、染谷将太が主演を務める。
「五条霊戦記」以来、10年ぶりとなる劇場用長編新作は、怪しい都市伝説が囁(ささや)かれるとある大学が舞台。病室を抜け出す女、三角関係の学生たちと喫茶店員、大事故を目撃した男たち、医療事務員に片思いの耳鼻科医……どこにでもいそうな登場人物たちが、全編を通して不条理ギャグとも言えるシュールな会話劇とパンクな表現を繰り出し、平凡な日常から次々と謎の最期を迎える……。「大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇」で、その特異な才能をスクリーンでも披露した、岸田戯曲賞受賞の劇作家・前田司郎の不条理劇を映画化した。
石井監督が得意とする、アナーキーでブラックな世界観のもと“生と死の当たり前の関係”への疑問を投げかける本作。存在感と演技力が世界に認められた染谷をはじめ、オーディションで選ばれた新人俳優たちの熱の入った演技も見ものだ。
「生きてるものはいないのか」は、2012年2月18日ユーロスペースほかで公開。
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