逆噴射家族

劇場公開日:1984年6月23日

解説

団地生活から抜け出して、新興住宅地へ越して来た一家が、舞い込んで来た祖父によって歯車が狂い出す様子を描く。脚本は小林よしのり、「海燕ジョーの奇跡」の神波史男、この作品で監督も手がけている「爆裂都市 バースト・シティ」の石井聡亙、撮影は「ションベン・ライダー」の田村正毅がそれぞれ担当。

1984年製作/106分/日本
原題または英題:The Crazy Family
配給:ATG
劇場公開日:1984年6月23日

あらすじ

新興住宅地にトラックがやって来た。今日は小林家の引越しの日である。小心で生真面目、家族をこよなく愛する優しい父・小林勝国は、20年間のローンでようやく小さな庭付き一戸建て住宅を手に入れたのだ。母・冴子は、天真爛漫で底抜けに明るい女性だが、観葉植物を我が子のように可愛がるヘンな癖がある。東大をめざして浪人中の息子・正樹は、受験勉強がたたってかいつも異様に眼をギラつかせ、明けても暮れても暗記に没頭している。娘のエリカは、アイドルタレントを夢見て、常に演技のマネゴトに熱中している女の子。郊外で健康的かつ明るい家庭を築きあげるのが勝国の夢であり、新居の前に家族と共に立った時、彼の胸は充足感でいっぱいだった。翌日から、イソイソと健康器具等を買い込み、勝国は理想的な家族設計を実行に移して行く。ある日、勝国の兄の家を追い出された祖父・寿国が舞い込んで来た。頑健で愉快な寿国を最初は暖かくむかえる家族だったが、あまりの無遠慮かつ奔放な振る舞いに、次第に反感を覚えるようになる。また、一人増えたことで狭い団地住いの悪夢が甦ってきた。危惧した勝国は悩み抜いた末、この家に祖父の為の地下室を作る事を思いつき、スコップで、シャベルで、はたまた砕岩機まで買い込んで穴掘りに精を出し始めた。穴掘りも中盤にさしかかった頃、白蟻が現れた。せっかく手に入れた新居を白蟻に食いつぶされてたまるものかと、とり憑かれたように殺虫剤を撒き、灯油をぶっかける勝国。悪戦苦闘の末、ようやく白蟻を退治したが翌日、会社にいても白蟻の幻影が頭から離れない彼は会社を飛び出して家に取って返した。勝国は、今や完全に狂気のまなざしで砕岩機を振り回し、水道管を突き破った。家族の怒りが爆発し、くんずほぐれつの戦いが始まる。一軒家の中で激しい戦いが繰広げられたため、家屋が傷つき崩壊してしまった。一家はガード下で吹きさらしの生活を始めた。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

2.5焦点は真面目そうな主人公が逆噴射した無茶苦茶さを撮る事に当たっていて、逆噴射に至る主人公や、家族それぞれの心理や関係性、日本人の家族の変容というものを描こうという姿勢はほとんど皆無です

2025年7月9日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

逆噴射家族
1984年6月23日公開 製作配給ATG
1980年の狂い咲きサンダーロードで知られる石井聰亙監督の商業映画初監督作品
原作は小林よしのりとあるが、漫画原作があるわけでありません
本作公開当時はまだ彼は駆け出しで東京に出て来たばかりの頃です

一体何の映画なんだろう?
そりゃ家族の崩壊に決まっています
冒頭の高速道路沿いの団地と建て売り住宅街はどうも新浦安辺りのようにみえます
東京ディズニーランドの隣町です
そこは本作公開の1年前に開園したばかりでした
京葉線はまだ出来ていません
劇中、主人公は家から自転車で駅に向かい、千代田線で都心の会社まで通うシーンがありますが東西線ではないのは?大して意味ないでしょう
単に東京郊外の新興住宅街という説明であり、毎日通勤するだけで疲れ果てるところでやっと家が持てるのだという説明です
21世紀の私達からみるととても都心から近くで、大きな立派な建て売りです
狭い団地住まいで数年資金を貯めて普通の会社員が購入できていたそんな幸せな時代があったのです
それでも主人公はそんな生活に耐えられずに逆噴射を起こします
きっかけは父親がその家に押しかけて来て部屋が足らなくなったことに過ぎません
まだバブルの数年前、幸せを求めて仕事にも、家庭にも、夫婦にも、子供にももっと上を求めて頑張りすぎて精神の歪みの内圧を高めて爆発する出口を探し求めていたということだったのかも知れません
家逆噴射の末家が崩壊して、建物が無くなった時、家族はまたもと通りになっていたのです

しかし、焦点は真面目そうな主人公が逆噴射した無茶苦茶さを撮る事に当たっていて、逆噴射に至る主人公や、家族それぞれの心理や関係性、日本人の家族の変容というものを描こうという姿勢はほとんど皆無です

「家族ゲーム」は本作の1年前の1983年6月4日公開の日本映画史に残る傑作
製作にっかつ配給ATG
本作はその足元にも及びませんでした

小林克也は俳優ではなく、ラジオのDJ
当時のDJは 今のDJ とは違い、単にラジオパーソナリティ程度のこと
ただ彼は英語力がネイティブのように本格的であり、米軍放送のラジオ番組のスタイルを真似たもので洋楽ヒット曲の番組を特にFM 局でいくつも持っていて70年代から一部で人気がありました
80年にはYMOという世界的な人気があったバンドのアルバムに彼の番組を模した物が収録され、全国に名前が売れ、さらに81年からベストヒットUSA という洋楽のミュージックビデオを流す番組の人気司会者として顔が売れました
カッコイい英語と日本人そのもののルックスのギャップにびっくりしたものでした
つまり、旬のタレントだったのです
本作では彼の英語力は披露されません、真面目そうなルックスを買われたのでしょう

コメントする (0件)
共感した! 0件)
あき240

2.5家庭内紛争

2025年5月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

先日、加賀美健さんが久々に見たら面白かった
と呟いていたので思い出した、見てないかもと
結論から言えば見た事あったな〜と途中から…
面白いキャスティングの家族で良い組み合わせ
なにもかもぐちゃぐちゃにしたかっただけの映画
そういうのを撮りたかっただけ?楽しそう!
若き子供たちのセンスの良い演技に感心した

コメントする (0件)
共感した! 2件)
mamagamasako2

2.5ファミリープラン。

2025年5月13日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

真面目系馬鹿は今日も頑張る。
日本人の性格を煮詰めて漉して2かけた様な家族愛物語。お父さんは一生懸命考えて、最善を尽くしたのだ。正解かどうかはどうでも良い。

地上がダメなら、地下に住ませりゃ良いじゃない!
公道でもないのに注意喚起を行うこの真面目さ。背筋が伸びる想いだ。
亭主元気で留守が良い?ふざけるな、引越しの御祝いはアレでアレなのだ。ハッスルお母さん、なんかすげえ。

家が権威や立場を保証するものではない。
そこに父がいて母がいて、子がいる。それが家族の理想像だ。多少の怪我は唾つけときゃ治る。
片親の人間より、愛を込めて。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
や

2.5集団ヒステリー

2023年9月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

難しい

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 4件)
いぱねま