杏、大好きなジブリ作品への参加を熱望
2011年9月15日 21:14
[映画.com ニュース] モデルで女優の杏が9月15日、東京・スペースFS汐留で行われた「イリュージョニスト」のDVD&ブルーレイ発売記念特別試写会に出席した。本作は、世界中の良質なアニメーション作品を紹介する“三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー”の1作。ライブラリーの中で、杏が小さいころから好きだという長編アニメーション作品「雪の女王」(1957)は、宮崎駿監督もお気に入りの作品だという。「大人になってから何回見てもいい。好きだったシーンや新たに感じる感動があったり、年代によってまったく違う角度で見ることができる」と説明し、ジブリ好きの杏は「いつかジブリ作品に関わりたい」と意欲をのぞかせた。
3月26日に公開した本作は、東日本大震災の影響で一度は公開が危ぶまれながらもヒットを記録。三鷹の森ジブリ美術館の中島清文館長は、「そういうときは本物の映画が見たいんじゃないかな」とヒットの要因を分析し、「古き良きフランス映画の匂いがする。手書き2Dで最高峰の技術を駆使し、ジャック・タチの脚本を使った本格的な映画」と手放しで絶賛した。
杏は女優の経験も踏まえ、「『食のシーンはどうやったらうまくできるんだろう』ということは役者の間でも話題になる」と“食”の重要性を指摘。少女アリスがシチューを作るシーンが印象深かったと振り返り、「コミュニケーションを深めるには食が大事だなって。そこで生まれたきずなが重なって、強く深いものにつながっていく」と独自の視点で語った。
そして「セリフがほとんどなくても、人物の姿勢や身振り手振りなどのディテールを絵にすることで、各登場人物の成長を伝えられる」と話し、「心の奥底に響く世界観」を持つ本作は、「(登場人物の関係性が)本当に純粋でせつない。最初から最後までほろ苦さがあって深さを感じました」と真しな眼差(まなざ)しでアピールした。
シルバン・ショメ監督がメガホンをとり、フランスの喜劇王ジャック・タチが娘に残した脚本をもとに映画化。第83回アカデミー賞長編アニメーション部門にノミネートされた。1950年代の仏パリを舞台に、時代遅れとなった老手品師タチシェフが、スコットランドのバーで出会った少女アリスと心を通わせる姿をノスタルジックな映像で描く。
「イリュージョニスト」のDVD&ブルーレイは、10月8日から発売およびレンタル開始。