園子温監督「ヒミズ」、ベネチアで8分間の拍手喝さい
2011年9月7日 13:57

[映画.com ニュース] 園子温監督の最新作「ヒミズ」が9月6日(現地時間)、第68回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で公式上映された。園監督は海外の映画祭での知名度は抜群なだけに、会場となった「Sala grande」は満員御礼。上映終了後には約8分間におよぶスタンディングオベージョンが沸き起こり、場内の園監督、主演の染谷将太、二階堂ふみは感慨に浸った。
同作は、「行け!稲中卓球部」で知られる古谷実がギャグを封印し、心の闇に焦点を当てた人気漫画の映画化。舞台を東日本大震災後の日本に移し、普通の大人になりたいと願う少年と愛する人と生きることを夢見る少女が、異常な日常にのみ込まれていく姿を描く。
上映終了後、同映画祭としては初となるレッドカーペット上での囲み取材を敢行。園監督は、「日本映画の夜の上映でこんなに人が入るのは珍しいので、うれしく思いました。日本人のために作った映画ですが、海外の人たちに理解されたことがうれしい」と笑みを浮かべた。人生初のレッドカーペットとなった主演ふたりは、「緊張したけれど、思ったよりもリラックスして楽しめました」(染谷)、「楽しかった。監督に『どっきりだよ』と言われました(笑)」(二階堂)と堂々と話した。
園監督は、上映前の公式会見では被災地で撮影したことを告白。多くの人に反対されたというが、「自分の中では葛藤(かっとう)がありながらも、ここで現地に入らなかったら一生後悔すると思った」と説明した。そして、「10年前に書かれた漫画は、終わらない日常の退屈さ、むなしさみたいなものが若者の意識の中にあったが、3月11日の震災を受けて“終わらない日常”から“終わらない非日常”が当たり前になってしまった。そういう若者を描きたかった」と語った。
受賞の期待もかかるが、「賞は取れたらうれしいですが、賞にはこだわらない。とりあえず、世界の人に作品を見てもらえたことがうれしい」と、あくまでも自然体。未成年の染谷は、戴冠した際の祝杯は「水ですかね」と笑わせ、和ませた。
「ヒミズ」は、2012年春に全国で公開。
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