吉高由里子、行定監督作で初の海外進出 韓国人との愛描く
2011年8月10日 15:32
[映画.com ニュース] 2010年釜山国際映画祭クロージング作品で、タイ、日本、韓国の3人の監督が過去、現在、未来の釜山を舞台に描いた、それぞれのオムニバスラブストーリー「カメリア」の日本公開が決定。日本人の少女と韓国人カメラマンの恋を描いた作品「カモメ」の行定勲監督と主演の吉高由里子が8月10日、都内で会見した。
日本のほか、韓国、タイでも公開が決まり、吉高にとって初の海外進出作となる。吉高は「監督が行定監督で日本人なので、海外映画というよりは親近感を持って、監督と勝手にきずなを持ってやっていた。無意識の間にタイや韓国で(作品が)流れるのは不思議な感じ。見ていただいた方のリアクションがあればうれしい」と笑顔で話した。
「カモメ」は、映画のカメラマンのパク・ヨンス(ソル・ギョング)が、撮影で釜山を訪れると、靴をはかずに街を漂う日本人の少女“カモメ”(吉高)と出会う。言葉が通じないふたりだが、パクは少女に引かれ、一晩中釜山の町を歩き回り、夜の海に向う……という物語。
吉高は、本作を「水とか風のように、つかんでも手のひらに何もなかったような、すり抜けるという言葉が合う作品。それは人の気持ちだと思うんです」と分析。寒空の釜山で、素足にキャミソールという姿で撮影に臨んだ。韓国人スタッフが大半を占める現場については、「体でコミュニケーションをとっていただいた。日本のスタッフだったらストーブを持ってきてくださるところ、韓国のスタッフは体であっためてくれるような……」と、感慨深げに振り返った。
00年の釜山映画祭で、商業映画デビュー作「ひまわり」が批評家連盟賞を獲得した行定監督。「恩人のような映画祭。これがなければ『GO』は作れなかった。僕のキャリアを築くための道を釜山映画祭が作ってくれた」と話す。本作で初の海外ロケを経験し「吉高は僕ら以上に、韓国のスタッフの気持ちを引きつけた。僕らと韓国人のスタッフが喧々諤々(けんけんがくがく)とやっているところをつないでもらった」と演技以上の役割を果たした吉高を絶賛した。
さらに、韓国を代表する名優ソルについては「日本人の台本なので、(韓国人スタッフは)みんな良かれと思って、韓国人だったらああだ、こうだと意見してくるんですが、彼は台本を読んで、静かにそれを制して『(台本には)日本人の情緒がそこにあって、我々プロは韓国人が見てもそん色ないように演じるのが僕の仕事だ』と言ったんです」と告白。「その言葉がすごく印象的でした。アジアを代表する俳優なんだと実感しました」と、ソルの俳優としての懐の深さをたたえた。
「カメリア」は、行定監督の「カモメ」のほか、タイのウィシット・サーナティアン監督の「アイアン・プッシー」、韓国のチャン・ジュナン監督の「ラブ・フォー・セール」の3編で構成される。10月22日公開。
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