復興テーマの「日輪の遺産」 堺雅人「こういう日本だからこそ響く」と自信
2011年8月8日 19:21
[映画.com ニュース] 浅田次郎原作、堺雅人主演の「日輪の遺産」完成披露試写会が8月8日、東京・千代田区の東商ホールで行なわれ、堺、佐々部清監督のほか福士誠治、ユースケ・サンタマリアらキャストが舞台挨拶を行った。
終戦間近の昭和20年8月10日、帝国陸軍の真柴少佐(堺)は、陸軍が奪取した時価900億円ものマッカーサーの財宝を隠匿(いんとく)せよという密命を受ける。その財宝は、敗戦を悟った軍上層部が祖国復興を託した軍資金だった。真柴は勤労動員として呼集された20人の少女らとともに任務を遂行する……。
日本の復興をテーマとした本作。3月に起きた東日本大震災を受け、堺は「撮影中、こういう状況になるとは誰一人思っていませんでした。こういう日本になってしまって、だからこそ響く要素をたくさん持っていると思います」。佐々部監督は、「この作品を公開できることに誇りを持っています。今こそ、我々が頑張らなきゃいけないというときに、この映画はビタミン剤か栄養剤になると思います」と時宜にかなった作品の役割について力強く語った。
舞台挨拶には森迫永依、松本花奈のほか、学徒動員の女子中学生役を演じた少女17人も登壇。劇中、軍人役の堺、福士、中村獅童の3人に向かって敬礼をするというシーンで、一番好きな役者を見つめるように演出されたというエピソードを司会から紹介され、少女たちは挙手で、自分の好きな役者を明かした。一番人気だった堺は、「さっきどら焼きを差し入れしたんです」と笑顔で照れ隠ししていた。
また、イメージソングを担当した元ちとせがゲストとして登場。「誰もが永遠の眠りにつくときに聞きたい歌があると思う」と楽曲のテーマについて語り、3年ぶりの新曲となる「永遠(トワ)の調べ」をキャストと観客の前で熱唱した。
「日輪の遺産」は8月27日、全国で公開。