東山紀之「普通のことが幸せ」 震災を機に思い新た
2011年6月7日 18:45
[映画.com ニュース] 藤沢周平の短編小説を映画化した「小川の辺」の完成報告会見が6月7日、都内で行われ、主演を務める「少年隊」の東山紀之をはじめ、勝地涼、片岡愛之助、松原智恵子、藤竜也らが出席。東山は篠原哲雄監督の「山桜」(2008)に続き2度目の藤沢作品。今回も篠原監督がメガホンをとり、東山との再タッグに挑んだ。
武士・戌井朔之助(東山)は、藩命で妹の田鶴(菊地凛子)が嫁いだ親友・佐久間森衛(片岡)を討たねばならなくなったことから、肉親の情愛と藩命の間で苦悩する。原作は「海坂藩大全」(文藝春秋刊)や「闇の穴」(新潮文庫刊)に収録されている。
舞台は山形・庄内地方をイメージした海坂藩。庄内地方に限らず日本の原風景が残る山形の各所でロケを敢行。東山は、「撮影には山形の方々はもちろん、広く東北の皆さんにお世話になった」と神妙な面持ち。5月には山形、宮城、岩手などでキャンペーンを行い「皆さん非常に明るくて、こちらが元気をもらった。藤沢作品が愛されていることも感じました」。東日本大震災を機に「目が覚めた部分もあり、新たな思いで作品と向き合っている。今は普通のことが幸せだと思う」と語った。
さらに「(藤沢作品は)映像化が難しいが、心のあり方やどう生きるべきかと教わりますので、いかに自分の財産として消化するか考え、生きざまに取り込んでいきたい」と決意表明。共演者や篠原監督が「東山さんはイメージ通りストイック」と口をそろえると、「もっとけなしてくれればいいのに。(話を聞いて)今はクタクタ」と照れくさそうな表情だった。
「小川の辺」は6月18日から山形県で先行公開。7月2日に全国公開される。