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「太平洋の奇跡」平山秀幸監督「次世代にバトンタッチできれば」

2011年2月10日 11:24

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平山秀幸監督(左)とチェリン・グラック監督
平山秀幸監督(左)とチェリン・グラック監督

[映画.com ニュース] 日米開戦70年特別企画として製作された「太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男」の公開を前に2月9日、平山秀幸監督とUSユニットのメガホンをとったチェリン・グラック監督が東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見した。

太平洋戦争の激戦地サイパン島を舞台に、わずか47人の兵力と神出鬼没な戦略で、米軍4万5000人を翻ろうし“フォックス”と呼ばれた実在の人物・大場栄大尉(竹野内豊)と、米軍側のハーマン・ルイス大尉、双方の視点で当時の戦況を描く。

平山監督は「僕もチェリン監督も戦争体験がない世代。それでも当時のことを映画として残すことで、次世代にバトンタッチできればと思った。今後、若い人たちが戦争映画を作る可能性もありますから、ぜひたすきを受け取ってほしい」と熱弁。ある女性記者から、美化し過ぎではないかと指摘されると「大場さんはヒーローではない。名誉だろうが不名誉であろうが、あの状況で人の命を守り切った。それ自体がとにかくすごいことだったとしか言いようがない」と持論を展開した。

チェリン監督は、「アメリカに残されたぼう大な資料を検証し、作品づくりに臨んだ」と徹底したリサーチを強調。一方、日本側の資料はほとんど破棄されていたといい「大場さんを含めた兵士、民間人がどんな思いを抱き、どう行動したかはフィクションを織り交ぜている」(平山監督)。撮影前には主演の竹野内が大場大尉の子息と対面し、「父は無口で、野武士のような人だった」と述懐したそうで、平山監督も「この言葉が大きなカギになった。そういった意味では、ぼう大な資料とちょっとしたヒントから作品が完成したと言える」と語った。

太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男」は、2月11日から全国で公開。

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