「ノルウェイの森」、ベネチアを席巻 鳴り止まない拍手に松ケン感激
2010年9月3日 12:21
[映画.com ニュース] 開幕2日目を迎えた第67回べネチア国際映画祭で、コンペティション部門に選ばれた「ノルウェイの森」がワールドプレミア上映された。
仏在住のベトナム人監督トラン・アン・ユンが、日本を舞台に村上春樹の原作を映画化した同作は、松山ケンイチ、菊地凛子、水原希子らをキャストに迎え、村上独特の世界観を映画化したもの。決して癒されることのない、悲しみを抱えた若者たちの声にならない絶望の叫びが、ユン監督が絶大な信頼を置く撮影監督リー・ピンビンの、美しくも透明感のある映像によって写し出される。
正式上映ではスタンディングオベージョンが鳴り響き、たしかな手応えを感じさせるものになった。上映後、キャスト陣は興奮した面持ちで「たくさんの方に見ていただけるだろうなと確信できました。最高の1日になりました」(松山)、「世界的に知られる村上春樹という作家の原作をトラン・アン・ユン監督と、素晴らしい共演陣とともに映画化できたこの作品に、これだけの反応が届いてきたのがとてもうれしい」(菊地)、「演じている自分自身もとても引き込まれてしまい、それだけ監督の力が素晴らしいと感じさせられました」(水原)と感慨に浸った。
また正式上映に先立って行われた記者会見では、ユン監督が、村上とのコラボレーションとその世界観について「94年ごろ、フランスで翻訳版が出てすぐに読み、とても好きになりました。最初のシナリオが出来上がったときに村上さんに見せたら、彼がたくさんのメモを書いて送ってくれた。彼の作品には、個人の深い親密なところに響くものがあり、ただこのストーリーを語るだけではなくそういう世界観をぜひ映像に表現したかった。わたしにとっては大いなるチャレンジでしたが、素晴らしい経験となりました」と語った。
同日には、前評判の高いジュリアン・シュナーベルの「Miral」も上映。数分間にわたり拍手が鳴り止まなかった「ノルウェイの森」が、審査員団にどう評価されるのかに注目が集まる。(佐藤久理子)
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド
【本作は観るべきか、否か?】独自調査で判明、新「アベンジャーズ」と関係するかもしれない6の事件
提供:ディズニー
セプテンバー5
【“史上最悪”の事件を、全世界に生放送】こんな映像、観ていいのか…!? 不適切報道では…?衝撃実話
提供:東和ピクチャーズ
ザ・ルーム・ネクスト・ドア
【私が“死ぬとき”を、見届けて】あなたならどうする――? 魂に効く珠玉の衝撃作
提供:ワーナー・ブラザース映画
君の忘れ方
【結婚間近の恋人が、事故で死んだ】大切な人を失った悲しみと、どう向き合えばいいのか?
提供:ラビットハウス
海の沈黙
【命を燃やす“狂気めいた演技”に、言葉を失う】鬼気迫る、直視できない壮絶さに、我を忘れる
提供:JCOM株式会社
サンセット・サンライズ
【面白さハンパねえ!】菅田将暉×岸善幸監督×宮藤官九郎! 抱腹絶倒、空腹爆裂の激推し作!
提供:ワーナー・ブラザース映画
激しく、心を揺さぶる超良作
【開始20分で“涙腺決壊”】脳がバグる映像美、極限の臨場感にド肝を抜かれた
提供:ディズニー