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木村多江、主演作「東京島」の撮影で感じた“自由”

2010年8月27日 14:37

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薄幸な女から一転、タフな女で新境地
薄幸な女から一転、タフな女で新境地

[映画.com ニュース] 桐野夏生の同名ベストセラー小説を映画化した「東京島」(篠崎誠監督)。無人島に漂着し、若い男23人との奇妙なサバイバル生活に挑む紅一点、清子を演じた主演の木村多江に話を聞いた。

「脚本を読んだときは、これまで演じたことのない役だし、どういう風になるのか想像がつかなかったんです。でも、実際に島へ行って撮影を始めると、『これが“自由”ってことなんだ』とか『自分で人生を選択するってこういうことなのか』と新鮮な驚きの連続で、演じながら、清子を“体感”して知っていくという感覚でした」

清子を“体感”する――。この独特な役づくりにひと役買ったのが、天候にも左右された過酷なオールロケだ。「寒い上に台風も直撃して、常に危険にさらされていて。でも東京にいるときには味わえない、生きている感覚、立ち向かっている感覚がありました。ちなみに、清子が真面目なシーンで足がつるくだりがありますが、あれは監督と相談して私のアドリブで演じさせてもらいました。自分も現場で毎日足をつっていたので(笑)。清子を人間臭く見せる上でも重要なスパイスだと思ったんです」

男たちが争いを避け、平穏に暮らそうとするなか、誰よりも“生”に固執し、ひとり脱出計画を企てる清子。その魅力を、木村はこう分析する。「すべてにおいて真剣ですよね。人間って真剣で一生懸命な人を見ると、それが固定概念や秩序からはずれていたとしても許せてしまうと思うんです。その力が清子にはあるし、トラブルを大口開けて笑い飛ばし、吹き飛ばす強さももっている。でもそれは本能として誰にでもあることを、清子が教えてくれたような気がします」

まさに清子という役を生きた木村だが、演技に対する姿勢が変わったのは、やはり「ぐるりのこと。」以降だと言う。

「『ぐるりのこと。』への出演を決めた時点で、すでに変わっていたんです。自分の経験を、映画を通して体験し直すことで、説得できるし共感してもらえる。それからは自分にしか出来ないことや、人が少しでも元気になれることのために仕事をしたいと思うようになりました。それ以前は自分に自信がもてず、役柄で自分を隠すように演じていた部分もあったけれど、今は全部さらけ出した方が人間臭くて面白い。“自分”がまずあって、その中に“役柄”があるという演じ方をこれからもしていきたいですね」

東京島」は8月28日から全国で公開。

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