荻上直子監督、最新作「トイレット」で芽生えた海外ロケへの果てぬ意欲

2010年8月27日 14:37

今度はどこの国で撮る?
今度はどこの国で撮る?

[映画.com ニュース] 「かもめ食堂」「めがね」など独特のユーモアと作風で知られる荻上直子監督が、全編にわたり北米で撮影した最新作「トイレット」が8月28日に公開される。荻上監督に話を聞いた。

同作は、プラモデルオタクのレイ、引きこもりピアニストのモーリー、エアギターに没頭する女子大生リサの3兄妹が、母親の死をきっかけに家にやってきたナゾの祖母“ばーちゃん”との交流を経て、家族の絆(きずな)を取り戻していく姿を描く。

「アメリカに留学していたことがあって、いつか北米で映画を撮りたいという気持ちがずっとあった」と話す荻上監督は、ほとんどがカナダ人のキャストとスタッフという環境で撮りあげた。そして、「『めがね』で何かひと段落した感があったので、どこか新しいところに出発したいと思っていた。最大の課題は、外国で英語という新しいチャレンジのなかで、今までやってきたカラーを1本通せるだろうかということ。結果、これまでとは違うテイストの中で、ひとつ自分のカラーを通せたかな」と胸を張った。

日本の“ウォシュレット”が物語の重要なカギとなっているが、「トイレのネタは、『かもめ食堂』のフィンランド人スタッフが日本のトイレにすごく感動していて、外国人にとって日本のトイレってすごいものなんだなと、改めて感じたことが始まり」だそう。

荻上作品の常連であるもたいまさこがナゾの“ばーちゃん”に扮しているが、「自分の役が孤立していることを意識してか、あえてほかの役者と距離を置こうとしていたと思う。だから、もたいさんが現場に入るとピリピリした感じがして、若い役者たちにとってとても良い刺激になっていた。もし3兄妹だけのお話だったら、和気あいあいな家族ドラマになってしまったと思うので、もたいさんの存在は本当に大きかった」と全幅の信頼を寄せていた。

フィンランドで撮影した「かもめ食堂」に続き、カナダへと活動の場を広げてきた荻上監督は「日本がイヤというわけじゃないけど、これからもいろんな場所に行って、いろんな言語で映画を撮っていきたいと思う。才能ある新しい人たちに出会いたい」とさらなる意欲を見せた。

Amazonで今すぐ購入

DVD・ブルーレイ

Powered by価格.com

関連ニュース

映画ニュースアクセスランキング

本日

  1. 「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」アマプラで見放題配信! 「劇場版 TOKYO MER」「生きる LIVING」「法廷遊戯」「おまえの罪を自白しろ」などもラインナップ

    1

    「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」アマプラで見放題配信! 「劇場版 TOKYO MER」「生きる LIVING」「法廷遊戯」「おまえの罪を自白しろ」などもラインナップ

    2024年3月27日 10:00
  2. モスラも飛来! 史上最大の脅威と戦う究極の怪獣バトル!「ゴジラ×コング 新たなる帝国」最新予告編

    2

    モスラも飛来! 史上最大の脅威と戦う究極の怪獣バトル!「ゴジラ×コング 新たなる帝国」最新予告編

    2024年3月27日 08:00
  3. Netflix版「三体」のヒットで、原作と「沈黙の春」がベストセラーに

    3

    Netflix版「三体」のヒットで、原作と「沈黙の春」がベストセラーに

    2024年3月27日 11:00
  4. ウィル・スミスのスクリーン復帰作「バッドボーイズ RIDE OR DIE」6月21日公開! 予告&場面写真も全世界一斉解禁

    4

    ウィル・スミスのスクリーン復帰作「バッドボーイズ RIDE OR DIE」6月21日公開! 予告&場面写真も全世界一斉解禁

    2024年3月27日 13:00
  5. 「この男、見たら死ぬ」夢に現れる眉がつながった男……世界的都市伝説を日本で映画化「THIS MAN」6月7日公開、ポスター&新場面写真

    5

    「この男、見たら死ぬ」夢に現れる眉がつながった男……世界的都市伝説を日本で映画化「THIS MAN」6月7日公開、ポスター&新場面写真

    2024年3月27日 19:00

今週