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萩原聖人が高橋伴明監督が「BOX」通じえん罪の重み訴える

2010年5月18日 20:38

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モントリオール映画祭にも出品が決定
モントリオール映画祭にも出品が決定

[映画.com ニュース] 高橋伴明監督が実在の「袴田事件」を映画化した「BOX 袴田事件 命とは」の完成披露試写会が5月18日、東京・有楽町朝日ホールで行われ、主演の萩原聖人新井浩文、高橋監督が舞台挨拶に立った。

同作は、味噌製造工場の専務一家4人の他殺体が発見され、元ボクサーで工場従業員の袴田巌が容疑者として逮捕された事件を、膨大な裁判資料をもとに構成したドキュメンタリータッチの人間ドラマ。無罪を確信しながら死刑判決を下さなければならない若い裁判官の苦悩する姿を通し、えん罪の重さを問いかける。

萩原は、「光の雨」以来の高橋監督との顔合わせに「この作品に参加し、これからの俳優人生とかでなく残りの人生を生きていくうえで大切なものを感じることができた。僕のキャリアでは決して伝えきれない苦しみや憤りや悲しみ。とにかく体当たりで監督の胸に飛び込んだ」と述懐。袴田役を演じた新井は、「元ボクサーという役なので体作りだけは徹底した。見てもらえれば分かる」と自信をのぞかせた。

今年のモントリオール世界映画祭コンペティション部門に正式出品が決まっている同作。高橋監督は「『おくりびと』『ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ』に続けるか分からないけど、結果をお楽しみに。えん罪は人が犯す罪の中で最も大きな罪のひとつ。とても重い映画だけど、司法制度の問題点や人は間違えるということをよく考えてほしいと思う」と観客に語りかけた。

また、萩原演じる裁判官のモデルとなった袴田事件の元主任裁判官・熊本典道さんも登壇。「私が問題の熊本です。当時、どうしても袴田君を無実だと結論づけることができなかった。袴田君を獄中から救うために、一生心を注いでいきたい」と言葉を詰まらせながら必死に訴えていた。

BOX 袴田事件 命とは」はスローラーナー配給で、5月29日から公開。

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