「007」シリーズ、ワーナーへの移行が濃厚に
2010年5月12日 11:29

[映画.com ニュース] 「007」シリーズの製作スタジオが、MGMからワーナー・ブラザースに移る可能性が高くなってきた。同シリーズの権利を所有しながら約37億ドルの負債を抱えるMGMは、昨年11月から競売にかけられているが、落札候補がワーナー・ブラザースの親会社タイム・ワーナー1社にしぼられたことが分かった。
3月なかばまでの段階では、タイム・ワーナー、ライオンズゲート、ロシア出身の実業家でショービジネス界への進出を目指すレン・ブラバトニックが率いるアクセス・インダストリーズの3社が入札に参加。しかしその後、ライオンズゲートが降り、先週末にはアクセス・インダストリーズも手を引いた。
タイム・ワーナーは先週、今年第1四半期の売上高が、過去2年間で最高を記録したことを報告、企業買収資金として50億ドルにのぼる潤沢な資金があることを明言。だが、タイム・ワーナーの入札額は、MGMとその債務保有者の希望額20億ドルを大きく下回る15億ドル程度と見られており、MGMがすぐに応じるかは不明だ。
MGMの資産は「007」シリーズのほか、「ロード・オブ・ザ・リング」の前章となる「ザ・ホビット(原題)」2部作や「ピンク・パンサー」シリーズの権利、4000タイトルのライブラリー、ユナイテッド・アーティスツ(UA)などを含む。
「007」シリーズの製作を手がけるイオン・プロダクションは4月19日、MGMの先行きが不透明であることから、シリーズ最新第23作、通称「ボンド23」の撮影を無期限で延期することを発表している。
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