遅咲きの英女優、再オーディション経て大役を手中に
2010年4月16日 17:00
[映画.com ニュース] イギリスの人気ジャーナリスト、リン・バーバーの自叙伝を基に、1960年代のイギリスにおける階級社会の厳しさを描いたラブストーリー「17歳の肖像」が4月17日から公開される。同作に主演し、今年の第82回アカデミー賞で主演女優賞にノミネートされたキャリー・マリガンに話を聞いた。
スクリーンのかわいい高校生からは想像もできないが、マリガンは今年25歳。ひと晩でサクセスストーリーを歩むハリウッドのシンデレラの中では、遅咲きと言っていいかもしれない。「女優になろうと決心したのは14歳だから、名前が知られるまでずい分時間がかかったけれど、それは私が目立たなかったからよ」
そう言うと、ぺろりと舌を出して笑うマリガン。「10代でいきなりスポットライトを浴びることがなかったから、逆にそのことで批判されて引きずり落とされることもなかったし、舞台のけい古をずっと続けられたのは良かったと思う。エージェントをはじめ、人にも恵まれたわ。みんないい仕事ができるように常に配慮してくれて、私に稼がせたくて仕事を持って来ることはなかったから」
マリガンがジェニー役を手中にしたのは、監督が途中でロネ・シェルフィグに交代したことが一因といえる。「最初の監督は私のオーディションテープを選んでくれなかったけど、ロネが捨てられたテープの山から私を見つけて、もう一度オーディションをしてくれたの。だからジェニーに決まるまで2年もかかったのよ。ロネには自分をアピールしようなんて思わなかった。原作を読んだときにジェニーの心情が一気に理解できたし、心の動きが手に取るようにわかったの。だから絶対に私はジェニーを演じられると確信していたわ」
マリガンが読み取ったジェニーは、成熟した知性があるからこそ孤独を抱える姿だ。「彼女はこことは違う、どこか別のもっと高いところに行きたい、現状を突破したいと思っている。そこに華やかで洗練された大人の世界、新しい色彩を持ち込んでくれるのがデビッドなのよ。恋にのめり込んでいく気持ち、すごく分かったわ」
今後も「ウォール・ストリート」「わたしを離さないで」と注目作品が続くマリガン。愛らしさと演技力を兼ね備えた新・実力派の誕生だ。
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