「タイタンの戦い」は「聖闘士星矢」へのオマージュ
2010年3月24日 11:30
特撮の神様レイ・ハリーハウゼンが製作した名作「タイタンの戦い」(81)のリメイクだが、ストーリーは一新。神と人間が共存していたギリシャ神話の時代を舞台に、ひとりの人間の王が身勝手な神々に対して反乱を起こす。怒った神々の王ゼウスは人類を滅亡させようとするが、ゼウスを父に、人間を母に持つ英雄ペルセウスが立ちはだかる。ペルセウスを演じるのは「アバター」のサム・ワーシントン、ゼウス役がリーアム・ニーソン、ハデス役がレイフ・ファインズという豪華共演も話題の超大作だ。
オリジナル作の魅力のひとつは、メデューサ、クラーケンなどのクリーチャーの数々。当時8歳だったレテリエ監督も大いに衝撃を受け、だからこそ今回のオファーを引き受けたという。「今回はオリジナル作にはいないものも登場するし、僕がオリジナルで一番好きだったメデューサもすごく速く動くし、セクシーにした。オリジナルを見ている観客も驚くんじゃないかな」
そして同作は、日本製アニメの影響を受けている。原作映画の神々は白い長衣姿だが、今回の神々は中世の騎士のような甲ちゅうをまとっている。
「あれは、日本のアニメ『聖闘士星矢』の影響さ。僕はあのアニメの熱狂的なファンなんだ。僕が育ったフランスでも人気だったんだよ。あの作品もギリシャ神話がモチーフで、女神アテナに仕える主人公たちがみんな騎士のような甲ちゅう(※聖衣=クロス)を装着している。それがすごく格好いいんだ。だから、あのアニメにオマージュを捧げたんだよ。それに物語のうえでも意味がある。神々と人間の間の戦いなんだから、神だって戦いの時には甲冑を身につけるのが当然だと思う」
そして本作はいま話題の3D。この技術はレテリエ監督にとっても魅力的だった。
「まだ開発されたばかりの新しい技術を使えたことをすごく誇りに思っているよ。この映画の製作がスタートした2年前には、3Dはまだ実用段階じゃなかった。『アバター』は進行中だったけど、あの作品のために開発された3Dカメラはみんなジェームズ・キャメロン監督が使っていたしね(笑)。でもこの映画の製作途中に、2Dから3Dにコンバートする技術が開発されて、変換することを前提に2Dで撮影することができた。技術的に可能だといっても2000ショットもあったから、作業は簡単じゃなかったけど、その効果はぜひ大スクリーンで確認してほしいな」
「タイタンの戦い」はワーナー・ブラザース配給で4月23日から全国公開。