トビー・マグワイアが伝説のチェスプレイヤー、ボビー・フィッシャーに
2010年3月17日 11:44
[映画.com ニュース] トビー・マグワイアが、デビッド・フィンチャー監督がメガホンをとる「Pawn Sacrifice」で、数奇な人生を送った伝説のアメリカ人チェスプレイヤー、ボビー・フィッシャーに扮することが分かった。
米Deadline Hollywoodが報じたもので、マグワイアはプロデューサーも兼任する。「イースタン・プロミス」のスティーブン・ナイトが脚本を手がける本作では、フィッシャーが世界チャンピオンになるまでの前半生が描かれるという。
米シカゴに生まれたフィッシャーは、冷戦下の72年に行われた世界選手権で、ディフェンディングチャンピオンのロシア(当時ソ連)のボリス・スパスキーを破ってアメリカ人初の世界チャンピオンとなり、アメリカの英雄と謳われた。伝統的にロシア・東欧勢が強いチェスの世界では、現在にいたるまでアメリカ人の世界チャンピオンはフィッシャーのみ。
しかしその後、アメリカの英雄はアメリカの敵へと変貌することになる。70年代後半から消息不明となっていたフィッシャーは、92年、国連の対ユーゴスラビア(当時)経済制裁決議を受け、米政府が米国人に対しユーゴにかかわる経済活動を禁止するなか、突然ユーゴに現れ賞金335万ドルをかけたスパスキーとの対局にチャレンジし勝利。これが事実上の国家反逆罪とみなされ、米連邦大陪審に起訴された。フィッシャーは再び姿をくらまし、一時は日本に滞在していたこともあったが、その後、08年にアイスランドで死去(享年64)。フィッシャーは死ぬまで反米・反ユダヤの発言を繰り返していたことでも知られるが、実は自身もユダヤ人の血を引いていた。
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