意味深なラストシーンが小林政広監督を悩ませる「ワカラナイ」
2009年11月13日 18:48
唯一の家族であった母親を病気で亡くし、天涯孤独となった16歳の少年・亮が、医療費も葬儀代も払えない現実から自らの手で母親の遺体を葬り、父親に会うために東京を目指す姿を描く。
これまで、大人を主役に実在の事件から着想を得た作品を製作することが多かった小林監督だが、今回の製作動機はこれまでと少し異なる。「もととなる出来事や事件はないけれど、親の立場から自分の子どもへのプライベートな部分から話を練り始めました。子どものときの仲間から外れちゃった気分や疎外感とか。フランソワ・トリュフォーの『大人は判ってくれない』を見たときに、状況は違うけれど同じような気分がしたんです。だからこの映画も、『俺もこういう気分だな』って思ってくれる人がいたらいいなと思って作ったんですよね」
キリっとした眼差しが印象深い新人・小林優斗が演じる亮は、いわば監督の分身のような存在だそうで、「最初は彼の芝居に違和感があったけれど、映画というのはお互いが寄り添っていかないとうまくいかない。僕の場合はもうアカだらけだから、子どもの無垢な部分をどのくらい出せばいいのか、多少不安でしたね」と振り返る。
亮の歩き方は非常に独特で、それだけで亮というキャラクターの個性が際立っている。そこにたどり着くには厳しい役作りの環境があったといい、「どこか支障をきたしている人間って、自分では気づいていないけれど、歩き方が変なんですよ。だから歩き方を1週間くらい練習させましたね。亮に近い状況ということで、彼にはスタッフとは別のところに寝泊りさせて、衣装も1点だけで着替えもなかった。よく耐えましたよ。ただ食べることとお金って生きていくことに付きものだけれど、他は何とかなる気がしますね」
意味深で多くを語らないラストについて、その意図を聞いてみた。「実は僕にもどんな意味があるか分からない。幸せな道を歩いているんじゃないってことだけ分かっていて、『大変だけど、こいつは生きていくんだな』と漠然と思っています。もうすぐ公開だけど、いまだにどうしようか悩んでます。もうどうにもならないんだけど(笑)」
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