名カメラマン木村大作の初監督作「劔岳 点の記」が完成
2009年6月2日 12:00

[映画.com ニュース] 「八甲田山」「復活の日」などの大作で知られる日本映画界の名カメラマン・木村大作が、撮影に2年をかけて完成させた初監督作品「劔岳 点の記」の完成披露会見が、6月1日、東京・有楽町の東京国際フォーラムで行われ、木村監督以下、浅野忠信、香川照之、松田龍平、仲村トオル、小澤征悦が出席した。
本作は、映画「八甲田山」の原作「八甲田山 死の彷徨」「武田信玄」などで知られる新田次郎による同名小説が原作。日本地図を完成させるため、前人未踏の地・劔岳(富山県・標高2999メートル)山頂を命懸けで目指した柴崎芳太郎(浅野)ら測量師たちと、地元の山案内人、宇治長次郎(香川)らの友情と苦難を、雄大な風景とともに描いた人間ドラマ。
わずか2カットのために9時間もの登山をすることもあったという過酷な長期ロケ撮影を共にくぐり抜けた主演の浅野と香川は、お互いについて「香川さんには、プライベートや裸など、さらさなくて良いところまでさらしました(笑)。共演させてもらって、これからの役に対する取り組み方も変わり、すごく勉強させて貰った」(浅野)、「浅野さんは僕より年下ですけど、本当に頼れる後輩だと思ってました。撮影中は監督と話したり、先頭を歩く浅野さんを見るにつけ、浅野さんの風貌から“武士”を感じていた。今回の木村組は本当に素晴らしい主役を持ったと思う」(香川)とそれぞれに語り、賛辞を惜しまなかった。
会見後の完成披露試写会には、柴崎の妻・葉津よに扮した宮崎あおいも登場。撮影中はとても厳しいと評判の木村監督について聞かれると「3日間の撮影でしたが、とても温かく迎えていただいて、私は怒られることは一度もありませんでした(笑)。それよりも印象に残っているのはカメラを覗いている監督の横顔。本当に格好良かったです」とコメント。それを横で聞いていた木村監督は表情を崩して「宮崎さんは私が話すときに、つぶらな瞳でジッと見つめるんです。だから、“ドキドキしちゃうんで、あまり見つめないで下さい”っていった覚えがあります(笑)」と照れながら振り返っていた。
「100年前の明治の測量隊と現代の撮影隊が完全にシンクロした映画」と会見で語っていた木村監督は「私たちには、この映画を見たら何かを感じていただけるという自信があります。何かを感じたら、この映画を応援してください」と力強く本作をアピールして、舞台挨拶を締めくくった。
「劔岳 点の記」は6月20日、全国ロードショー。
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