WTCを綱渡りした伝説の大道芸人が曲芸会見。「マン・オン・ワイヤー」
2009年5月20日 12:00

[映画.com ニュース] 1974年、当時世界一高いビルだったニューヨークのワールド・トレード・センター(WTC)のツインタワー間に、無許可で鋼鉄のワイヤーを渡し、その上を歩いた大道芸人フィリップ・プティ。“今世紀最大の犯罪芸術”と言われた彼の優雅な綱渡りの模様を、再現映像を交えて映画化し、本年度アカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞した「マン・オン・ワイヤー」の記者会見が、5月19日に東京・渋谷のセルリアンタワー東急で行われ、来日中のプティ氏が登壇した。
90年には東京・赤坂のミカドビルのオープニングセレモニーで綱渡りを披露した経歴もあるプティ氏。会見の前には近くの広場でジャグリングのパフォーマンスを行うなど、59歳となった今でも現役で活躍しており、「世界中を旅してきたが、いつもどこにワイヤーを張ろうか考えながら街を歩いているよ」と意欲的に話す。また、4~5歳の頃から手品や曲芸を学んできた生粋のパフォーマーであるプティ氏は、会見中も話すだけに留まらず、トランプを使った手品を披露したり、バラを鼻の頭に乗せたまま静止するなど、華麗な技で報道陣を沸かせた。

「WTCをワイヤーで渡っているとき、何を考えていたのか?」という問いに、「完全な無に直面していたが、それは満たされた無だった。6年間夢見てきたことだったので、怖いという気持ちは少しもなかった」と当時の心境を明かしたプティ氏は、今後の野望を聞かれると「イースター島のモアイ像にワイヤーを繋げて渡ってみたいんだ」と語り、最後に日本の若い人たちに向けて「××をやってはいけない、と言う人の意見は聞かないことだよ」と笑顔でメッセージを送った。
「マン・オン・ワイヤー」は6月13日より公開。
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