伊藤淳史、実弟の悲報に「天国にいる人にも伝われば…」と涙のライブ
2009年3月10日 12:00
[映画.com ニュース] 実弟で俳優の伊藤隆大さんが3月8日に亡くなっているのが発見された俳優・伊藤淳史が、9日、東京・渋谷O-EASTで行われた主演映画「フィッシュストーリー」(3月20日公開)の試写会で、劇中のパンクバンド“逆鱗”のベーシストとしてライブパフォーマンスを行った。
隆大さんが神奈川県相模原市内で死亡していたことが分かった9日、伊藤は当初、イベント前にマスコミにリハーサルを公開し、囲み取材にも応じる予定だったが、急きょキャンセルに。しかし、同日21時過ぎ、試写会上映後のイベントには予定通りに姿を現し、バンドメンバーの高良健吾、大川内利充、渋川清彦とともに「公に演奏するのは今のところこれが最後」というライブで、劇中歌3曲を披露した。
2曲を終えたところで、バンドリーダーとしてMCを行い、和気あいあいとメンバーを紹介していった伊藤だが、最後に「個人的なことですが、ご心配とご迷惑をおかけして申し訳ありません」と頭を下げた。そして、それまでの笑顔とはかわり涙をこらえながら、「この映画の中では、この逆鱗の曲がいろんな人につながって、いろんな人が聴いてくれて、世界が変わっていく。そんな映画と同じようなことが、現実でも起きたらいいなと思っています。今日ここに来てくれた皆さんに僕たちは思いを伝えたいし、これから映画を見る人にも、これから生まれてくるであろう人たちにも、この映画、この曲が伝わってほしいと思います。そして、天国にいる人にも……伝わってくれたらいいなと思います」と語った。
ライブで流れた汗とともに涙をぬぐう姿を見せながらも、ラストに「これ以上ない力で弾きます」と、映画のテーマ曲「FISH STORY」を披露した伊藤。ライブ後は、駆け付けた共演者の多部未華子や濱田岳、監督の中村義洋らと手を取り合い、鳴りやまない拍手を送る観客に気丈に笑顔で応え、会場を後にした。
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