カンヌ映画祭でイーストウッド監督最新作「エクスチェンジ」世界初公開!
2008年5月22日 12:00

[映画.com ニュース] 第61回カンヌ国際映画祭にて5月20日、コンペティション部門のパルムドール(最高賞)最有力候補と目される、クリント・イーストウッド監督の最新スリラー「エクスチェンジ(The Exchange)」(11月7日全米公開)がワールドプレミアされ、イーストウッド監督、主演のアンジェリーナ・ジョリーとブラッド・ピットがレッドカーペットに勢揃いした。
同作は、1920年代のロサンゼルスを舞台に、9歳の息子ウォルターが行方不明になったシングルマザーのクリスティン(アンジェリーナ・ジョリー)の身に起こる実話を基にした物語。数カ月後、警察が息子を連れて帰ってくるが、自分の息子ではないと気づいた彼女は、活動家(ジョン・マルコビッチ)の助けを借り、行方不明事件のもみ消しを図ったロサンゼルス警察の腐敗を暴くというもの。なお、映画祭エントリー時まで「チェンジリング(Changeling)」というタイトルだったが、過去に同じタイトルの作品があるためか、改題された。
イーストウッド監督は公式会見で、「子供が危険に陥るというのは最高のドラマの形」と、「ミスティック・リバー」同様に「失われた無垢」をテーマにした脚本が魅力的だったと明かし、巨大権力に刃向かう弱者である母親の行動にも惹かれたと付け加えた。「陰謀ものの多くは、真実を知ろうとしたり、真実を語ろうとするもので、俳優にとって最も重要な役どころの一つ。誠実であることはこの世で最も崇高な美徳であり、それがどんなドラマをも面白くする」
現在、双子を妊娠中のジョリーは会見で、「同じことが自分の身に起こったとしたら? その痛みと絶望は想像できるわ」と語り、惜しくも昨年1月に他界した実母で女優のマルシェリーヌ・ベルトランさんの姿を、役作りに役立てたと明かした。「クリスティンという人物は(私の)母親に似ている。母はあらゆる面で受動的で、とても優しかったけど、子供のことになると、ライオンみたいになるの」
会見で、22日に同映画祭で復刻版フィルムが上映される「ダーティハリー」の話に及ぶと、31日に78歳になるイーストウッドは続編へ出演するのではないかという噂に対して、「やらないよ。この歳の男が警察にいたら、おかしいだろ?」と否定。隣のジョリーが「何なら、私がやろうかしら」とジョークを飛ばすと、老監督は「それなら『ダーティハリエット』だな(笑)」と返す一幕もあった。
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