タイの人身売買を描く社会派「闇の子供たち」ティーチイン付き試写会
2008年5月19日 12:00

[映画.com ニュース] 「どついたるねん」「KT」「魂萌え!」などで知られる阪本順治監督が、タイで行われている人身売買、幼児売買のむごたらしい現実を描いた梁石日の同名小説を映画化した社会派ドラマ「闇の子供たち」の特別試写会が5月16日、東京・多摩のパルテノン多摩にて行われ、主演の江口洋介、阪本監督、タイの実状に詳しい齋藤百合子氏(恵泉女学園大学教員/人身売買ネットワーク)がティーチインに参加した。
本作は、タイで行われる臓器売買について取材を始めた新聞記者の南部(江口洋介)が、NGO職員の音羽(宮崎あおい)、フリーカメラマンの与田(妻夫木聡)らの協力を得て、幼い子供たちが幼児性愛の対象や臓器売買を目的として安易に金銭取引されている現実を知るというストーリー。
映画化にあたり原作を読むまでタイの人身売買問題についての知識をあまり持っていなかったという阪本監督は、「原作を読んで、どこまでが本当なのか、信じられない気持ちになった。しかし自分で少し調べてみるうちに数点の写真を見つけ、それが事実なんだと分かった。そういう現実があることを知ってしまった以上は、やるしかないと覚悟を決めた」と説明。また目を背けたくなる虐待の描写には相当気をつかったようで、「虐待を暴く人間が撮影という“虐待”をすることがないように(子役に)説明した」という。社会性が強い題材でありながら、江口、宮崎、妻夫木といったキャスティングが実現したことについて質問されると、「豪華なキャスティングとは言ってほしくない。世間に目を向けていると予感のあった人たちに声をかけたし、躊躇はしたと思うが、参加する意味を見つけてくれれば受けてくれるはずだと思った」と強調した。
それを受けて江口は、「阪本監督とはいつか一緒に仕事をしたいと思っていたが、この役を演じることによってどう思われるのかと1、2週間考えた。自分には子供もいるし、躊躇もしたが、幸せや平和を願うからこそやる意味があると思って臨んだ。(自分の子供たちは)まだ小さいが、いつか見てもらえる日がくれば」と父親としてのメッセージを込めたことを明かし、会場に集った学生たちに向かって「この映画によって、少しでも意識を変えてほしい」と呼び掛けた。
「闇の子供たち」は今夏、全国順次公開。
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