「おかっぱ頭の殺人鬼」役でオスカー受賞のハビエル・バルデムが緊急来日!
2008年3月12日 12:00
[映画.com ニュース] 本年度アカデミー賞で、作品賞を含む最多4部門での受賞を果たした映画「ノーカントリー」(ジョエル&イーサン・コーエン監督)で、おかっぱ頭の殺人者シガーを怪演し、助演男優賞を受賞したハビエル・バルデムが、今週末日本公開となる本作のPRのために初来日。3月11日、東京・日比谷のザ・ペニンシュラ東京で来日記者会見を開いた。
本作は1980年のテキサスを舞台に、麻薬がらみの大金を盗んだベトナム帰還兵(ジョシュ・ブローリン)と殺し屋(バルデム)の追跡劇、そして2人を追う老保安官(トミー・リー・ジョーンズ)の葛藤を描いた犯罪ドラマ。
18歳の頃に「ブラッド・シンプル」(84)を見て以来、いつかコーエン兄弟の映画に出演したいと思っていたと語るバルデムは、念願叶ってコーエン兄弟作品に出演した経緯を聞かれると、「彼らからのオファーは夢のようでしたが、僕はアクション映画や暴力映画が嫌いなので、少し考えました。ですが、コーマック・マッカーシーによる原作小説(「血と暴力の国」)を読むうちに、この作品には運命や死、そして自然の力を描いた、ある一貫した哲学があると感じ、オファーを受けることにしました」とコメント。さらにコーエン兄弟との仕事については、「コーエン兄弟の現場はとても静かですが、なぜか可笑しい。これほど緊張感のない現場は初めてで、撮影自体は毎日がとても楽しいものでした。ただ、撮影中は毎朝、最悪の髪型をした自分の姿を鏡で見ることが苦痛だったし、買い物に行っても変な目で見られるし、大変でした(笑)」とユーモアたっぷりに明かした。
そして、オスカー受賞について質問されると、「スペインから12人の家族を連れて授賞式に出席しました。僕の家族は俳優が多いので、彼らへのお祝いにもなったと思います。でも授賞式の夜は、受賞した時のスピーチを考えていたからあまり余裕はなかったんですね(笑)。それでも、今から振り返ってみると、凄い夜だったと思います。何よりも作品賞を獲れたことが嬉しいですね。作品賞に値する作品だと思っているから。この映画は芸術という点で素晴らしいし、混じりっけのない純粋な映画。一つ一つの細部が綿密に作り上げられていて、こういう映画を作ることが出来るのはコーエン兄弟だけだと思います」と語り、改めてコーエン兄弟の監督術を讃えた。
「ノーカントリー」は3月15日より全国公開。
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